参院選 森の明暗を分ける無党派層たち
2016年05月27日
今夏参院選に出馬する中原八一(自民)と、野党統一候補の森裕子(生活・無所属で出馬)の事務所開きが終わった。参院選はいよいよ本格的な戦いに突入する。(敬称略)
森の支援は”お好きなように”
中原は焦っている。
「前回( ’10年)は大変厳しい選挙でしたが、皆さんから大変な危機感を持っていただきました。今回も大変厳しい選挙ではありますが、前回以上に危機感を持っていただき、私、中原八一と戦っていただけませんでしょうか」
5月9日、自民党県連会館で中原の事務所開きが行われた。上記の懇願はその時のものだ。「絶対に負けるわけにはいかない」「死力を尽くして頑張る」と力も込めていたが、危機感は隠せない。
前回参院選新潟県選挙区の定数は2。前回の中原は2位当選。今回は定数減により、当選枠が1つに減った。今回は、得票2位では当選できない。
中原は野党統一候補が決まる以前から、危機感を示す発言をしていた。今年2月、自民・谷垣禎一幹事長が来県したパーティーでは、「2議席であればなんとか2位に当選させていただくことができるかもしれないが―」とも話していた。
「中原さんは、正直だから」
自民関係者はそう苦笑いする。
中原の事務所開きの約2週間前、北海道5区の衆院補選の結果が出た。自民公認と野党統一候補(元民主党北海道道民生活局長)、新人の一騎打ちとなり、接戦を制したのは自民。
「自民党本部は当初、ダブルスコアで勝つと思っていたようです。北海道と新潟を同列に扱うことはできませんが、新潟の自民も安穏としてはいられないでしょう」(政界通)
一方、「野党統一」に全くブレがないかというと、そうではない。「北海道での民進の話だ。いつもなら気軽に選挙協力に応じてくれる支持者が、”今回の民進は共産と手を組んでいるからな”と難色を示すこともあった」 (識者)
連合新潟は民主を基軸として、本県での野党統一候補選定に関わってきた。民主が当初、菊田真紀子(比例北信越)を参院選候補者として擁立した際、連合新潟も即座に菊田を推した。
とはいえ、今や民主は存在しない。民進だけがある。「民主と維新との合流には、違和感を示す連合新潟幹部もいたようだ」(組合関係者)
野党統一と言えど、野党全体での活動方針があるわけではない。