独占スクープ! 泉田知事に太陽光発電事業者との”重大疑惑”
2016年05月27日
それはふとしたきっかけから明らかになった。県が行った太陽光発電の事業者公募だが、誰が見ても儲かる内実が隠されていた。しかも、1者しか応募がなく、選定されたのは知事の東京後援会の代表が大株主で役員を務めた県外企業だったのだ。その後この企業は、売上高が前年比で195倍、利益が前年の10倍強となる奇跡的な飛躍を辿り、関連会社が経産省の海外プロジェクトを受託するまでになっている。これを利益誘導、癒着といわずしてなんとする。
泉田裕彦知事を支援する政治団体に、「いずみだ裕彦後援会」がある。同会の会長は平成26年から新潟商工会議所の会頭である福田勝之氏(福田組会長)が務めている。前会長は同商議所の前会頭、敦井榮一氏(敦井産業会長)だった。
この「いずみだ後援会」とは別に、平成21年に「東京から泉田知事を応援する会」として設立された政治団体がある。それが「東泉会」だ。現在、同会の会長は元資源エネルギー庁長官の野々内隆氏(一般財団法人 経済産業調査会理事長)が務めている。京大卒業後に通産省に入った同氏の経歴は泉田知事と同じ。だが原子力発電に関する二人の立ち位置はずいぶん違っている。
野々内氏は退官後、三和銀行(当時)の常勤顧問を経て、平成元年に原発メーカーでもある日立製作所の取締役に就任した。東日本大震災で事故を起した福島第一原発の4号機は日立製だ。本県の柏崎刈羽原発も、同氏が役員に就任した翌年に運転を開始した5号機など、2機が日立製。そのほか2機が日立を含む企業体の施工だ。
泉田知事の東京後援会長である野々内氏だが、その経歴から察するに「反原発派」とは思われない。むしろ、積極的な推進派とみていい。一方の知事は、これまで「福島の検証がなければ…」と、原発再稼働の議論に応じようとしてこなかった。
ところが県議会の2月定例会で、自民党の代表質問に答え、知事は平然とこう言った。
「再稼働の議論ができないとは、これまでも申し上げてはおりませんし、その考えに変わりはありません」
開いた口がふさがらなかったのは、政界関係者ばかりではなかったはずだ。
それはともかく、この東泉会について不思議な事実を発見した人物がいる。新潟市内に本社を置く建設関連会社の役員だ。
「今年は秋に知事選があります。当社は東京にも営業拠点があるものですから、東京の知事後援会に入会しようか検討していました。それで東泉会のウェブサイトを見ていたのです。
〈『東泉会』ご入会受付中!〉というバナーをクリックすると、会の目的や役員、事務局などを紹介した案内のページに移動します。このページから入会申込書をダウンロードできるのですが、案内のページにある事務局の所在地や電話番号などと、入会申込書に書いてあるそれらが違うのです」(建設関連会社の役員)
このささいな事実が、意外なことがらが判明する発端となった。…続きは本誌に