上越新幹線・新潟空港乗り入れを熱望する群馬県の悲願
2016年03月28日
新潟県人は、空港のない群馬県の苦悩を知っているだろうか。日本海沿いに高速交通網が走らない山形県の歯痒さを知っているだろうか。空港も港も新幹線も高速道路もすべて手に入れ、政令市まで抱えた新潟県はいま、群馬や山形の犠牲の上に築かれたものではないのか。上越新幹線開業から30年余。新幹線を空港に乗り入れようとする運動が始まって四半世紀。人口問題、地方創生、拠点化などあらゆる観点から、新幹線と空港を結ぶための具体的な動きに移した方がいい。それを待っている人がいるのだ。
群馬県議会で巻き起こった 「上越新幹線新潟空港乗り入れ」待望論
クドいと言われようと書く。本県は上越新幹線の新潟空港乗り入れ議論を四半世紀以上も続けている。それでいてほとんど何も実現できていない。乗り入れが最善かどうかはともかく、隣県に乗り入れ待望論が根強いことは知った方がいい。上越新幹線が新潟空港に乗り入れると、新潟県民が予想だにしない恩恵を隣県は受けるのである。
あれから30年…
「山形県の人のことを考えたら、(上越)新幹線の終着駅が新潟駅ではいけないのです。山形の人は、上越新幹線が山形まで来ていたらもっと便利だったろうに、っていつも思っているのです」
とは県内のある大学関係者。さらに付け加える。
「新幹線然り、高速道路然りなんですけど、新潟県人はそれ自体が”ある”ことに満足して利活用しようとしない。新幹線や高速道路を使って人を新潟に来させる、お金を落としてもらう、といったことをしないんですね。新潟空港すら通過点にして山形、さらには秋田にまで伸ばせていたら、新潟はいま以上に魅力的な都市になっていたことでしょう」
1982年に上越新幹線を手に入れたとき、新潟県は大いに沸いた。
「念願の新幹線を手に入れた。東京が近くなった。これで新潟はさらに栄えるぞ!」。そんな熱狂の渦に沸いていた。
あれから30年余。
人口は毎年、流出超過。特に若者が出て行ったきり戻って来ない。新潟モンは東京に憧れるが、東京モンは新潟など無関心。観光客もパッとしない。佐渡観光の低迷は、佐渡汽船の経営状態が物語っている。そうこうしているうちに北陸新幹線が開通。富山・金沢に話題も人も金もゴッソリさらわれてしまった。
「2014年問題」は「新潟にとって最大のピンチだ」などと騒いでいたのはいったい何だったのか。…続きは本誌にて