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2024年11月23日

『めまい』

2016年02月26日

p39ishi浦野耳鼻咽喉科医院院長
浦野 正美 氏

 

■医師データ
浦野正美。新潟大学医学部卒。同大学耳鼻咽喉科学教室、県立中央病院耳鼻咽喉科医長、済生会新潟第二病院耳鼻咽喉科部長を経て02年に開業。

 

 

 

 

突然、天井がぐるぐる回るような感覚にとらわれたり、ふらふらしてまっすぐ歩けなくなったり…。不快な症状をともなうめまいだが、原因や対策は?今回は、めまいを取り上げる。解説は浦野耳鼻咽喉科医院の浦野正美院長にお願いした。

 

「めまいの原因には大きく分けて内耳(聴覚、平衡機能の感覚器官)に原因があるもの(末梢性めまい)と、小脳、脳幹(からだのバランスをコントロールする中枢)の機能不全によるもの(中枢性めまい)があります。

 

内耳の病気の代表的なものとしてメニエール病があります。これは内耳の中にあるリンパ液の圧力が異常に高くなり、感覚細胞を圧迫して、ぐるぐる回るめまい(回転性)、耳鳴り、難聴(低い音が聞きにくい)を起こす病気で、中年の女性に多いといわれています。

 

末梢性めまいは、中耳炎が内耳に波及した場合や、風邪の後にみられる前庭神経炎(めまいの神経の炎症)でも起きます。ある特定の方向に頭を傾けたときにだけ一過性に起きるめまいは、良性発作性頭位眩暈症といわれます。

 

小脳、脳幹は椎骨脳底動脈という血管に栄養されていますが、これは頚椎(首の骨)の間をぬうように走行するので、頸部の緊張(肩こり)や伸展(首の運動)で血液の流れが悪くなりやすく、そのため一過性の脳貧血が生じます。これらの血液循環不全によるめまいでは、ふらふらするめまい(浮動性)や頭重感が生じますが、耳鳴りや難聴は起きません。血圧の高い人や動脈硬化のある高齢者に多くみられます。

 

同じような症状は、若い人でも、普段から血圧の低い人や、立ちくらみをしやすい人にもみられます(起立性調節障害)。

 

眩暈症はストレスや疲労、自律神経失調が原因になるといわれています。めまい発作が起こったら…続きは本誌にて

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