”まちなか活性化”の根本解決にならないBRT
2016年01月27日
開業5カ月を迎えるBRT(バス高速輸送システム)。この5カ月でBRTは中心市街地の影響をはじめ、様々なところへ及んでいる。見切り発車による失策を謙虚に反省し、次の策を打たなければ中心市街地の衰退に拍車がかかることは目に見えている。市民から否定的な意見が圧倒的に多いBRTは今後どのような方針で運行するのか。
中心市街地から悲鳴
「BRT開業後、商店街から人が減っている」。古町や本町の商店街店主たちはBRT開業後の客足の減少を嘆く。
それもそのはずだ。BRTは「中心市街地活性化」の目的もあったのに現状、事態は逆の方向へ進んでいる。
12月定例会で本町六商店街振興組合理事長がBRT事業の中止を求めた。
請願は乗り換えで利用者に不便が生じている現状について指摘。「BRTの中止」と「今後連接バスを購入しないこと」を要望した。さらに同趣旨の陳情が6件提出された。
審議の結果、「BRT中止を求めることについて」の請願1件・陳情6件は全て不採択とした。
12月定例会の一般質問で複数の議員がBRT運行に対する問題点を指摘。当然のことながらBRT開業後の古町・本町地区の客足減少の対策についても触れた。一般質問の一部を要約・編集して記す。
「街中の歩行者通行量調査ではNEXT21前、旧大和前、本町六番町等すべて減っている。駅前や万代にしても微増か横ばいの結果。BRT運行によって古町・本町地区の活性化ができると思うか」
この質問に対し篠田市長の返答は「古町地区にバスで来る分担率は1桁と小さく、影響があっても限定的。古町・本町に人が減ったのは交通だけに起因するものではない。商店街など個々の魅力を高めることも必要だろう」
当初は中心街に訪れる人の数が右肩下がりの状況。だからこそBRTを導入して街の活気を取り戻すという話だった。それに期待して古町・本町の人達は期待値を要望というかたちで出していた。これを地域の動きとしてプレスから何から取り上げた。市としては「地域の方々からも応援していただいていますからBRT事業を進めていきます」と大義のひとつにしていた。それにもかかわらずBRTを導入してから街の活気は下がる一方だ。
この状況に対して篠田市長は「バスだけでなく、古町・本町商店街の努力が足りない」といった発言をしたのだ。古町・本町商店街の人たちは、市長の発言に対して強烈な”裏切られた感”を持っているに違いない。
乗り換えの不便さが客足の減少に直結しているのは紛れもない事実だ。本町地区の商店街店主は嘆く。
「BRT開業から本町は客足が目に見えて減少した。特に東区在住の常連さんの姿がめっきり見えなくなった。
本町・古町としては早急に乗り換えの負担を減らし、止まってほしい」
さらに1月7日には古町・本町地区の10商店街団体(新潟中心街協同組合、古町5、6、7、8、9、柾谷小路、本町6、上古町、本町中央市場)の各団体が連名で要望書を篠田市長に提出。…続きは本誌にて