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2024年11月22日

伊藤勝美五泉市長の”ゴチになります体質”

2015年12月28日

企業規模は社長の器を超えることはない、と言われている。たしかに、県内企業で大躍進をもたらした創業社長を思い起こすと、懐が深く、情に厚く、決断力を備えていた。亀田製菓しかり、コメリしかり、一正蒲鉾しかり。しからば地方都市といえど、首長の器が市町村の命運を決断するのではないか。今年の正月は首長の器とやらをシニカルに眺めてみるとしますか。

 

モンゴルだ、米国だと、五泉市の伊藤勝美市長は外交に手腕を発揮している。10月、同市長はニット産業視察のためイタリアを訪問。日本一のニット産地である五泉のニット組合が行った視察旅行に同行したものだ。市議会で市長の旅費、宿泊費を組合が負担していたことが発覚。倫理規程に反する「ゴチになります」といった体質が浮き彫りになってしまった。

 

またも騒動の予感

 

12月2日、五泉市議会は定例会の初日を迎えた。10月の改選後、議長や副議長などを決める臨時会はあったが、レギュラーの議会は今回が初。

 

以下は余談だ。現在の五泉市は旧村松町と旧五泉市が平成18年に合併して誕生した。人口規模は前者が2万、後者が3万8千ほどだった。だが今の市政にあっては「小が大を食う」状況だ。伊藤勝美市長は町議を経て村松町長を務めた人物。先の市議選でも1位、2位当選は旧村松地区の候補だった。

 

トップの安中聡市議だが、日常の移動手段は自転車だ。雨や雪の日も、サドルの後にのぼり旗を立てた自転車でまたも騒動の予感議場がある市役所に通う。2位で初当選したのが桑原一憲市議。今や名物の「ごせん紅葉マラソン」で実行委員長を務めた。自身もマラソンを走るし、野球や空手で鍛えた体育会系だ。こうして見ると市議選は露出度の高い候補が有権者受けしたような結果だった。

 

p50

「紅葉マラソン」以上に名物的な存在が五泉市議会だ。それゆえ人気もある。議場で傍聴する人もいるが、写真のように市役所1階のロビーで本会議のライブ中継を楽しむ市民も少なくない。12月定例会の初日も朝からファンが集まった。さながらスポーツ中継のパブリック・ビューイングみたい。ここならお茶を飲みながら議会のやり取りを堪能できる。

 

この日の一般質問で最初に登壇したのが羽下貢市議。4年前の苦杯から復活を果たし、議場に帰って来た。続いて登場の共産党、猪熊豊市議と伊藤市長との対決が本日のメーンイベントだ。同市議の質問には注目の内容が含まれていた。〈市長のイタリア渡航問題〉がそれ。

 

10月、伊藤市長は五泉ニット工業協同組合(高橋雅文理事長)の役員らと、世界的なニットの産地であるイタリアのフィレンツェなどを視察。その際、市長の旅費や宿泊費を同組合が負担していたという。市とニット組合だが、市が補助金を出し、組合が受けるという関係にあった。…続きは本誌にて

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