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2024年11月22日

新潟市補助金申請忘却 連帯責任で補填せよ!

2015年09月28日

新潟市で6月に発覚した補助金申請のし忘れだが、その損害額は約6千2百万円だった。またまた市長らの減俸や担当職員らの戒告処分だけで一件落着に持ち込まれそうだ。とりつくろったような責任の取り方はコリゴリだ。「市長以下、連帯責任で補てんせよ」と言いたくなる。

 

“水・土”は鬼門

 

新潟市のBRT(バス高速輸送システム)がスタートしたのは9月5日のこと。出だしの惨憺たる状況は今さら言うまでもあるまい。ことに料金カードシステムの不具合は酷かった。7日に新潟交通が〈本日中に復旧予定〉と発表したが、システムの検証作業で正常化したのは9日だった。7日、8日の両日は、新潟市内のほとんどのバス路線が無料になった。

大混乱のさなか、8日に新潟市議会の9月定例会が始まった。当初、篠田昭市長は議会で、「何かと批判を浴びたBRTだが、このとおり立派に走っている」と、胸を張るつもりだったに違いない。だが開会日の議会全員協議会で、続出するBRTのトラブルについて報告せざるを得なくなった。

 

不幸な事態は重なるものだ。9月定例会の冒頭、市長は自身と3人の副市長に関する減給を提案した。その内容は以下のよう。

「本日の全員協議会で申し上げましたが、国庫補助金請求事務の誤りについて、市長としての私の責任を明確にするため、10 月の俸給月額を20%減額するものであります。なお3人の副市長につきましても、俸給月額の一部について返納したい旨の申し出があったことから、これを受けることにいたしました」

 

市長、副市長(10月分給料の15%)らの減給を招いた行政ミスだが、早い話が「県に申請を出し忘れ、平成26年度の補助金が受けられなくなった」というもの。6月に市の福祉総務課が発表した。このミスで入ってくるべき約6千2百万円の補助金がふいになった。

 

8月25日付で、担当した職員らに対する処分が下った。福祉部の部長級、課長級、そして担当職員の3人が戒告となった。役人の懲戒処分は重い順に免職、停職、減給、戒告となる。戒告は軽そうに見えるが、役人の世界では退職するまで残るペナルティだ。

 

p26

市長、副市長の減給で思い起こされるのが、6年前の「新潟市美術館カビ・クモ発生問題」。原因は初めて開催された「水と土の芸術祭」の作品を館内に展示したことだった。そのため市美術館で予定された仏像展が開催できなくなってしまった。

 

平成22年3月、一連の責任を取って、篠田市長は月額報酬を自身が30%、副市長が10%、それぞれ減額するという処分を発表した。思えば今年も「水と土の芸術祭」が開催されている。補助金の申請し忘れやBRTの悲惨なスタートなど、〝水・土〟はトラブルの当たり年に開催される巡り合わせらしい。

 

 

 

そんな答弁ではダメだこて

 

新潟市が補助金の申請し忘れを発表した日、市の担当課長が市議会(市民厚生常任委員協議会)で経緯と内容を報告した。当然ながら、議会側から手厳しい意見が集中した。

 

前議長で、「比較的市長に近い」とされる新市民クラブの代表者、志田常佳市議(東区)はこう言った(以下は会議録を要約したもの)。

 

「課長、あなたたちどう責任をとるのだ。こんげな(請求事務の誤りといった)手続きの話なんて聞きたくねえ」

 

昨年の市長選で吉田孝志を支持した議員らを中心とする保守市民クラブの代表者、阿部松雄市議(秋葉区)はこう言った。…続きは本誌にて

 

 

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