旧新潟大和再開発は「賑わい」より「権利売却」
2015年09月28日
期待のBRTだが、蓋を開けてみればあのざまだけに疑心暗鬼が生じてしまう。誰もが賑わいの復活を願っている古町など新潟市の市街地中心部だが、切り札ともいうべき旧新潟大和の再開発事業が動き出そうとしている。しかし垣間見えるその中身は賑わい創出と言い難く、「権利の売り抜け先行」という評価がもっぱらだ。
県が…から発火
旧新潟大和の再開発構想について、意外なところから”火の手”が上がっている。新潟市議会ではなく、県議会の一部からだ。なぜなのか?最近になって語られ始めたわけではないが、「新潟県がこの構想に加わる」、すなわち「県が何らかの施設を旧新潟大和の再開発ビルに移転する見込みだ」といった動向が伝えられている。これに対する反発が”火元”らしい。
ある県議は違和感なくこう言う。
「そうですね、(県による旧新潟大和の再開発ビルへの施設移転は)決まっているようです」
別の県議はこう言う。
「大和跡地の再開発ビルに持って行く県の施設ですが、既にめどがついているようです。もちろん現時点で確定ではないのですが」
一方、複数の新潟市議は異口同音に「(県の動向は)聞いていません」という。
こうした状況に一部の県議は苦々しい思いを募らせている。「大和跡地の再開発は正式な手続きがこれからだ。こうした段階で県議会には何の説明もなく、”県が何らかの施設を再開発ビルに移転する見込みだ”などと語られていることは心外な事態だ」(中堅クラスの県議)
中心市街地にあった新潟大和が閉店したのは5年前。課題だったこの地の再開発は足踏み状態が続いた。今年5月、地元紙が明和工業(新潟市西蒲区、関根繁明社長)による旧新潟大和の買収を伝えた。
明和工業は管工事業からスタートし、水道関連機器メーカーとして全国展開している。売上高は約50億円、経常利益は約5千8百万円(平成26年3月期)。関根社長は新潟経済同友会の副代表幹事も務めている。
市長ののめり込み姿勢
旧新潟大和は6月30日付で金沢市の大和から明和工業に所有権が移転された。買収価格は8億円だという。同社による取得について、泉田裕彦知事は6月3日、記者会見でこう言った。…続きは本誌にて