緊急通報 佐渡市談合破り情報の中身!
2015年06月29日
談合情報は入札前に流れるもの。しかし佐渡市が6月4日に行った浄化センター維持管理業務の入札では、開札後、「事前に受注調整あり」とする指摘があった。同時に「談合破り情報」も流れた。一部の入札では国内大手の関連会社が桁違いの安値で業務を受注しており、”談合破り”を想定したくなる結果となっている。佐渡市はこれら入札を覆った闇を”浄化”できるのだろうか。
事後の談合情報
佐渡市の談合事件で思い起こされるのが、同市のごみ処理施設、佐渡クリーンセンターの建設をめぐる一件だ。工事が発注されたのは合併前の平成7年だった。当時、全国各地の自治体が建設するこの種の施設では、「大手プラントメーカーが談合し、受注調整が行われている」とされていた。
公取委は平成11年に「談合を繰り返していた」と、大手5社に排除勧告を出している。その後、法廷で談合の有無について争われたが、同21年に5社の上告が棄却され排除勧告が確定した。
この事件を受け、「談合で価格を不当につり上げられた」として、ごみ処理施設の受注業者に対し損害賠償を請求する動きが全国で続出した。平成21年3月、佐渡市はクリーンセンターを受注した川崎重工業に対し、6億2千150万円の損害賠償を求める訴えを起こした。
川崎重工業の受注金額はおよそ62億円で、5者による入札の落札率は98・71%だった。佐渡市による請求金額は、同様の工事の平均落札率89・76%との差から算定したもの。
3年前の3月、この訴訟は川崎重工業が佐渡市におよそ2億6千万円を支払うことで決着をみた。金利分を含めると4億4千万円余となり、当初の請求を下回るものの、佐渡市の台所が潤うこととなった。
とにかく談合はリスキーなもの。ひとたび発覚すれば、指名停止だ、賠償金だと、企業の存亡を左右しかねない事態を招く。クリーンセンターほどメジャー級ではないが、佐渡市の入札に関し最近も”談合情報”が流れた。
たいていの談合情報は入札前に流れる。こうした情報に対し、どこの自治体でも対応マニュアルとでも言うべき要領が準備されている。このたびの談合情報は入札の直後に指摘された。役所への通報はなかったらしく、市が調査に乗り出した形跡はない。
入札が行われたのは6月4日、市内にある浄化センターの運転維持管理業務に関る指名競争入札だった(一部、別表)。…続きは本誌にて