『男性型脱毛症(AGA)』 丸山 友裕 氏
2012年04月01日
皮膚科まるやまクリニック院長
丸山 友裕 氏
■医師データ
弘前大学医学部卒。新潟大学医学部皮膚科学教室、富山医科薬科大学助教授、済生会新潟第二病院皮膚科部長を経て平成18年に皮膚科まるやまクリニックを開院。医学博士。
一昔前は風邪と薄毛の特効薬を発明すればノーベル賞ものだと言われたものだ。現在はというと、劇的に〝フサフサ〟になるというわけではないが、ある程度の改善が期待できる薄毛治療が浸透してきている。そこで今回は、最新の薄毛治療を取り上げる。解説は皮膚科まるやまクリニックの丸山友裕院長にお願いした。
「男性型脱毛症(以下AGA)というのは、男性ホルモンの作用で頭髪が薄くなることをいいます。男性ホルモンはひげや胸毛、すね毛には濃く、頭髪には逆に薄くなる方向に作用します。頭髪の毛根部で男性ホルモンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換されますが、これに対する感受性の強い人が毛根にダメージを受け、AGAになります。
ですから、このDHTの産生を阻害できれば、抜け毛を減らし、AGAの進行を抑えることが出来るわけです。現在、最もその効果が期待できる薬がプロペシアです。
この薬品は元々、前立腺疾患の治療薬として使われていましたが、その過程で発毛効果を認める人が多く、育毛剤として実用化されました。