『生活習慣と胃がん』 波田野 徹 氏
2012年03月01日
丸山診療所院長
波田野 徹 氏
■医師データ
信州大学医学部卒。新潟大学医学部第三内科入局。長岡中央綜合病院内科部長を経て平成21年に開業。医学博士。日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医。
近年は治療法も進歩してきたとはいえ、やはり胃がんにはかかりたくない。そこで、生活習慣を見直してみるのも一考だ。今回は生活習慣と胃がんの関係について取り上げる。解説は、丸山診療所の波田野徹院長にお願いした。
「最近の統計によると、胃がんは若い世代で減少してはいるものの、罹患数は年間11万人もいます。胃がんで亡くなる方ですが、男性では肺がんに次いで多く年間約3万人、女性では大腸がん、肺がんに次いで年間約2万人近くおられます。合わせて年間5万人の方が胃がんで命を落としているわけで、胃がんの死亡数はまだまだ減っていません。
それでは、胃がんはどうして起こるのでしょうか?
胃がんの原因として、1982年に発見されたヘリコバクターピロリという細菌(ピロリ菌)が関係していることが最近解明されました。ピロリ菌の感染で胃がんの発生率が増加することが、臨床的に示されました。ただし、ピロリ菌の感染症例のみで胃がんが発症するのはごく一部であり、ピロリ菌の感染のみで胃がんの発症をすべて説明できるほど単純ではないことも分かってきました。