中小・零細企業が危ない! ソフト不正利用の罠
2015年05月27日
「あなたの会社がある日突然、損害賠償請求を突き付けられる」―。大方の関係者は「まさか…」と一笑に付すことだろう。しかし笑っていられるのも今のうちかもしれない。悪いことは言わないから、職場内で海賊版と思しきソフトウエアを利用したり、購入の有無も分からないようなソフトの利用は至急改めたほうがいい。なにせ”敵”は高額な謝礼金を用意して内部告発を広く呼びかけているのだから。
普通の企業が狙い撃ちされる
在京のさる弁護士がいう。「東弁(東京弁護士会)には現在、7千人を超える弁護士が所属しています。新潟の弁護士はせいぜい150人程度でしょ? 東京はいかに人口が多いとはいえ、7千人も同業で食っている人間がいるとなると、仕事の奪い合いはそれこそ熾烈です」 (都内の弁護士)
端的にいって、新潟県弁護士会のように総勢150人程度の規模だと、弁護士同士はだいたいが顔見知りだ。したがってそこはムラ社会、それぞれが他人の釜の飯を狙うような暴挙に出ることはまずない。
しかし東京弁護士会のように7千人もの規模になると、弁護士同士が大方面識もないわけだから、ある意味で仕事など取った者勝ちだ。したがって新潟などの地方都市の弁護士とは異なり、東京の弁護士は新聞や雑誌への広告出稿にも意欲的だ。
とはいえ激しい競争にさらされている東京の弁護士だが、それでもなんとか食べてこられたのは忘れた頃にやってくる”神風”のお陰だとこの弁護士は語る。
「今から約20年前、どうにもこうにも首の回らなくなった多重債務者の借金を帳消しにする空前の自己破産ブームが巻き起こり、その後何年も食いブチとなりました。なにせ簡単な手続きで報酬が得られますから、経験の浅いイソ弁(居候弁護士)にはもってこいの仕事です。
さらにその後、弁護士の新たな食いブチとなったのが約10年前から始まった過払い金返還請求ラッシュです。いわゆるグレーゾーン金利を否定する最高裁判決がきっかけとなり、債務者がこぞって過払い金返還請求に打って出た結果、武富士をはじめとする消費者金融各社が軒並み経営破綻したのは周知のとおりです。
裏を返すと、それくらい弁護士業界は過払い金返還請求で儲けさせてもらったのです」(同)
一説には、それまで消費者金融業界は本来債務者が払わなくてもいい過払い金だけで年間1兆円近くも儲けていたとされる。しかし最高裁判決をきっかけに、業界が不当に溜め込
んだカネが狙い撃ちされた格好だ。
この弁護士が続ける。
「しかし過払い金返還請求ブームもすでに終わりました。今後またしても業界に”神風”が吹くかどうかは分かりませんが、いずれにしても私たち弁護士は新たな飯のタネを見つけなければならないわけでして…」 (同)
こう言って同氏は、なぜか不敵な笑みを浮かべて以下のように続けるのだった。「次はおそらく普通の企業が狙い撃ちされることでしょうね」 (同)
いったいどういう意味なのか?…続きは本誌にて