識者座談会 日本を救う「新潟港湾整備計画」
2015年05月27日
【出演者】
・佐藤信秋氏(参院議員)
・石﨑徹氏(衆院議員)
・渡辺徹氏(亀田郷土地改良区西部地区事務所長)
【司会】
・瀬戸田鎮郎(本紙編集長)
新潟の長期的な発展が見込める一大構想が日の目を見ようとしている。新潟東港に大型タンカーが自由自在に寄港できるように機能大幅増強し、首都圏が巨大地震に襲われた際に物流面を一手に引き受けるバックアップ港として整備しようというものだ。同構想の提唱者は亀田郷土地改良区西部地区事務所長の渡辺徹氏。今から7年前に同土地改良区が発表した「新潟モノレール構想」を取りまとめた中心人物だ。今回、同氏が満を持して世に提案する「新潟東港ウルトラ港湾構想」の意義と必要性について、2名の国会議員を交えて座談形式で語ってもらった。
自然災害リスク世界第1位は東京・横浜
瀬戸田
向こう30年間に首都直下地震が起きる確率が70%にも上るといわれています。万一、東京を直下型地震が襲った場合、どれくらいの被害があるか渡辺さんのほうから説明していただけますか。
渡辺
地震が発生する確率が70%、あるいはそれ以上だとする日本の学者の指摘もさることながら、海外の再保険会社、つまり保険会社が保険をかけるための会社ですが、スイス・リーが2013年に発表した「自然災害リスクの高い都市ランキング」によると、東京・横浜が第1位となっています。
さらに大阪・神戸が第5位、名古屋も第6位となっており、日本にとってありがたくない結果が示されています。これは単に誰かが論文を書いたレベルの話ではなく、ビジネスとして明確に位置付けられていることです。したがって私たち国民も首都直下地震は確実に起こるのだという認識で対策を打っていかなければならないと考えます。
そして怖いのは、東京には埋立地が多いわけですが、LPG(液化石油ガス)やLNG(液化天然ガス)が高圧のガスタンクとして約5,500基超あるのです。それらを直下地震が襲った場合、油漏れはもちろんのこと、かなり大規模な火災が起きることが想定されます。
一方で帰宅困難者も989万人と推計されているほか、東京はゼロメートル地帯が多いことから数週間にわたって水没してしまうのではないかといった指摘もあります。いうまでもなく電気、ガス、水道などの施設の多くは地下にあるので、これらが水没してしまってはインフラ機能が完全に麻痺してしまいます。
関東大震災の際にも高さ6~7メートルの津波が発生していますので、首都直下地震でも震源が海底になれば巨大津波が発生します。これらのことから経済的被害は100兆円、あるいは関東大震災クラスの地震が発生した場合には300兆円に上るとの試算も示されています。
いってみれば首都直下地震が発生した場合、人類が経験したことのないレベルで被害が拡大する可能性があるのです。
瀬戸田
万一、首都直下地震が起きた場合、東京や横浜の港がその機能を失うのは必至とみられています。そこで日本海側の新潟東港の機能を強化し、首都圏で大災害が発生した際に新潟が復旧に向けて物流面を全面的にバックアップしようという構想を渡辺さんが以前から提唱されています。新潟東港はロシアや中国にも近いという立地上の優位性もあります。…続きは本誌にて