自民当選議員陣営が起こした人身事故の”後遺症”
2015年04月28日
し烈な戦いとなった南魚沼の県議選。「5選を果たし、議長を狙う」とした斎藤隆景(自民)を退け、トップ当選を果たしたのは、同じ自民でも新人の松原良道だった。告示の翌日、松原陣営の車が人身事故を起こした。その政治的な後遺症は治療が相当に難しいようだ(敬称略)。
渦中に人身事故発生
南魚沼の市政に手厳しい意見を持つ人物がこう言った。4月3
日告示の県議選で、12日の投票日に近い時期だ。
「告示日の翌日、4日の夕方のことだ。松原良道の街宣車に後続する選挙関連の車が、六日町郵便局の向かいで人身事故を起こした。松原の選挙事務所から細い小路を通ってアーケードがある商店街の通りに出るところで、車の前の部分に人が接触したものだ。
その際、運転者はドアの窓を開け、当てた相手に向かって”大丈夫か”と声をかけた。人に当てた認識があったということだ。当てられた側は、”大丈夫だ”と答えた。それを聞き、運転者は車から降りることなく街宣車の後を追って車を走らせた。
現場にとどまって負傷者の状況を確認することもなく、警察に通報もしなかったのだから、これは立派なひき逃げ事件だ。こうした状況を承知しながら、警察はひき逃げ事件として発表していないし、新聞にも出ていない。これはおかしいと思う」
4月4日以降の地元紙を見ても、南魚沼市内でひき逃げ事件があったという記事は見当たらない。
さて県議選だが、定数2の南魚沼市・南魚沼郡選挙区では33人が立候補した。トップで当選したのは元市議で議長も務めた自民の新人、松原良道。同じ自民で5選を果たした斎藤隆景(自民)は2位に甘んじた。12年前、初出馬の県議選で苦杯を喫したものの、その後2回連続で無投票当選していた現職の若月仁(無所属)は落選した。
自民同士の戦いが演じられた選挙はし烈だったという。新人の松原には南魚沼市の井口一郎市長や種村芳正元県議らが支援に回った。昨年、松原は県議選の候補として自民の一次公認を獲得した。ほとんど現職と同格の扱いで、新人では唯一だった。定数2で自民の現職がいる選挙区に、あえて自民の新人を擁立する。そしてその新人を現職と同様に一次公認する。これは極めて異例の事態と言えた。
現職の斎藤には「地元に根ざしていない」など、一方新人の松原には「何のための出馬か、政策はあるのか」など、それぞれに批判があった。松原派の車が「ひき逃げ」と言われるような人身事故を起こしてしまったのは、過熱しがちな保守系同士による争いの真っただ中だった。
捜査はしております
松原派の車が人身事故を起こしたとなれば、相手陣営にとってまさしく敵失だ。過熱した選挙戦で、格好のネタとして増幅され伝えられたのではないか? だがこの事故が大いに宣伝された形跡はない。…続きは本誌にて