ケツバットガール原因説も流れる「ドカベン像」撤収のウラ側
2015年04月28日
「ドカベン」などの作品で知られる新潟市出身の水島新司氏の事務所が新潟市に対してキャラクター使用契約の更新をしないと通告。また同市中央区古町通5番町にあるドカベンの主人公・山田太郎など計7体の銅像を撤去するよう地元商店街に申し入れた一連の”ドカベンショック”―。振り返れば2009年の県立野球場完成時、球場名に「ドカベン」を冠していたなら、今回の事態は起こりようがなかった、と関係者は口を揃える。しかしながら「なぜ今頃になって…」との疑問も残るわけだが―。
県立野球場の命名で亀裂
今から6年前の2009年春、新たに新潟市に完成する県立野球場の球場名のネーミングをめぐって侃々諤々の議論が巻き起こったことをご記憶の読者も多いことだろう。
当時、本誌としても詳しく記事にしているが、一部関係者の間から同市出身の漫画家・水島新司氏の「ドカベン」にちなんで「ドカベンスタジアム」あるいは「ドカベン球場」にしたらいいのではないかとのアイデアが浮上。
これに対して水島氏本人も「名前の使用料は1円もいりません。どうぞドカベンを使ってください」と快く応じたことから、一気に”ドカベン待望論”が盛り上がったのだった。
その後の顛末についてここでは詳しく触れないが、ネーミングライツ(命名権)の売却益を球場の維持管理費に充てたいとする泉田裕彦知事の強い意向もあって折り合わず、結局のところハードオフコーポレーションがネーミングライツを落札、「ハードオフエコスタジアム」と命名した。
当時の内部事情を知る人物がいう。
「水島さん側はドカベンを球場名に冠するにあたって1円も使用料はいらないとの意向でした。こうしたことから県は一時期、ハードオフとドカベンを併記する形の球場名にしたいとの考えを持っていたのですが、これには水島事務所も”とんでもない話だ”と呆れ果てたというんですね。
というのも考えてもみてください、ハードオフは中古本販売のブックオフを展開している企業です。新刊本を世に送り出している漫画家が、中古本を売っている企業、つまり著作権問題で対立する企業と仲良く手を組めるわけがありませんからね」 (会社社長)
また他方、先方が「使用料はいらない」と言ってくれているのだから、本来であれば泉田知事が自ら水島事務所に直接出向いて交渉を進めるのが筋だが、知事は部下の職員を派遣するにとどめた。非礼はこれだけにとどまらないのだが、こうした拙劣な対応の積み重ねによって水島事務所は県に対して強い不信感を抱いたのだった。
その結果、水島事務所は「新潟にはもう協力しない」とまで周囲に漏らすようになり、実際のところその後ほどなくして、水島氏は「にいがたマンガ大賞」の審査委員長や首都圏在住の人たちが新潟のPRに一役買う「新潟市サポーターズ倶楽部」の会長などの公職を相次いで辞任した。
そして6年経った今、新潟の関係者らは文字どおりの“絶縁通告”ともいうべき”ドカベンショック”に見舞われた。…続きは本誌にて