五泉”超常”市議会の知られざる中身
2015年03月27日
おそらくこうした市議会は県内、いや国内の地方議会で、そうそうあるものではない。議会の初日、定刻どおりに本会議が始まることの方が珍しい。始まってもやれ議員の懲罰だ何だと、なかなか前に進まない。こんな議会では市民が哀れというものだ。
5時間半遅れ、1分10秒で休憩
五泉市議会は変わっている。本会議場の傍聴席は後ろ、市長ら役所の幹部が並ぶ雛壇の反対側にある。これはどこの市議会でもほぼ同じだ。議場脇の通路を進み、階段を上った入り口前で受付簿に記入し、傍聴席に入る。
入り口手前にしばしば登場するのが写真右の「お知らせ」だ。〈本日の本会議は九時三十分開会の予定でしたが… 若干遅れます〉、とある。どこの議会にだって不測の事態はある。それゆえ開会がずれ込むこともあるだろう。
写真の「お知らせ」には印刷された文字が使用されている。突発事態に対応するため、急きょ手書きで作成されたものではない。一方、五泉市議会のウェブサイトには、赤い大きな文字でこう書いてある。
〈※議事日程については、議事進行上の必要により開会時間等が大幅に変更になる場合があります〉
五泉市議会は若干か大幅にかはともかく、定刻どおりに始まらない悪弊が続いているらしい。そのため「お知らせ」も事前に準備されているし、ウェブサイトに告知もされている。
3月定例会は同月2日に初日を迎えた。開会はいつもと同じ9時30 分…のはずだった。だが例によって傍聴席の入り口前に「お知らせ」が登場した。今回もまたまた定刻開始にあらず。その遅れが若干か大幅かだが、結論から申し上げれば後者だった。
会期初日は冒頭に本会議が開催され、会議録に署名する議員を指名したり、会期と日程を正式に決めたりする。その本会議が始まったのは定刻からおよそ5時間半後の3月2日の何と午後3時頃。
冒頭、林茂議長が会議録署名議員や会期などを読み上げた。その後、同議長はこう言った。「暫時休憩いたします」。この間、本会議の始まりから終わりまで、およそ1分10秒だった。…続きは本誌にて