フェイスブック新潟県人会の明と暗
2015年03月27日
SNS内の”県人会”では最先発にして最大規模という「フェイスブック新潟県人会」。今や会員数は8,000人を超え、影響力も大きいコミュニティとなった。組織が大きくなればトラブルも発生してしまうのはネット社会の常なのか・・・
県の観光特使にも任命
「単なるSNSを超えて、リアルな繋がりを構築したかった」
フェイスブック新潟県人会の主催者である南雲克雅氏は語る。
南雲氏は新潟県南魚沼の出身で現在は東京都足立区に在住。
「フェイスブック新潟県人会を立ち上げたのは2011年、東日本大震災のあった年です。その年の5月ですね。それまではツイッターの県人会に参加していたのです。先輩の会員と飲んでいたときに”フェイスブックで県人会を展開できないかな”という話題になりました。ツイッターは基本、匿名のやり取りですから、なかなかリアルな繋がりに発展しにくい。その点、プロフィルを明かすことが原則のフェイスブックなら、ネット上だけでなく現実社会でつながりを持ちやすいのは確かです。その晩に帰宅して立ち上げたのが今のフェイスブック新潟県人会です」
フェイスブック新潟県人会の主役は、首都圏など県外に生活拠点を置く新潟県出身者である。1880年に発足し、初代の大倉喜八郎会長をはじめ錚々たる顔ぶれが会長を務めている本家「東京新潟県人会」は、新潟から東京に出て行った一般人にとってはなかなか敷居の高い存在でもある。その点、フェイスブックの県人会なら気軽に登録できるし、実名登録の相手だから比較的安心してつながりを持てる。
元来、フェイスブックには「地縁」の要素が色濃く出ている背景もある。フェイスブックには自分の出身地や出身校などを登録しているケースがほとんどで、そうした中で検索をかけて「お友達」を広げるユーザーも多く、地域的な結びつきは非常に強い。
フェイスブック新潟県人会は瞬く間に会員数が増え、ピーク時には9,000人に迫る注目のネットコミュニティとなった。その後、会内から大阪や名古屋などのグループが独立し、独自の展開を広げるようにもなっている。フェイスブック上の県人会活動は、今では他地域でも多く見られるが、最先発は新潟。規模的にもここまで大きくなった会はない。こうした功績が認められて、南雲氏は新潟県から「にいがた観光特使」にも任命されている。
フェイスブックの県人会活動はどういう影響力を持つのか。…続きは本誌にて