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2024年11月22日

『介護保険が使えなくなる?』

2015年01月27日

p83ishi

斎藤内科クリニック院長

斎藤 忠雄 氏

 

■医師データ
昭和57年、新潟大学医学部卒業。平成2年、新潟大学大学院医学研究科卒業。同年、米国アラバマ大バーミンハム校微生物学教室客員助教授。平成6年、新潟市高志にて開業。

 

 

昨年の6月に成立した『地域医療・介護総合確保推進法』。これが4月から施行されることになり、地域医療や介護の現場が様変わりすることになる。中には、今まで当たり前に利用してきた介護保険を使えなくなる人も…。今回は、この新施策について取り上げる。解説は在宅医療に深く取り組む、斎藤内科クリニックの斎藤忠雄院長にお願いした。

 

「昨年の6月に成立し、この4月から順次施行予定の地域医療・介護総合確保推進法。この法律により、地域医療や介護の現場が大きく変わります。

 

この法律の大まかなポイントをいくつか挙げてみます。

 

まず一つ目ですが、新たな基金の創設と医療・介護の連携強化です。これは都道府県が策定する医療計画と介護保険事業(病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進など)のため、消費税増収分を活用した新たな基金を都道府県に設置するというものです。

 

二つ目は、地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保です。これは病院や診療所などの医療機能の名称を明確化するというもので、高度急性期機能、急性期機能、回復期機能、慢性期機能の4つに分け、患者さんの状態に応じた医療サービスを提供するものです。昨年10月より、医療者側は病棟が担う機能を4つの中から、いずれか1つ選択して報告することが義務付けられました。

 

三つ目が地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化です。これが最大かつ一番身近に関わってくるポイントだと思います。大まかですが、順を追って説明します。まず特別養護老人ホーム(特養)の入所条件が、例外を除き
要介護3以上になります。したがって要介護1および2の人は、特養の入所資格を失います。次に介護保険を使える人も介護度によって制限されます。これはデイサービスやホームヘルパーなど、今まで介護保険を利用してサービ
スを受けてきた人たちの中で、要支援1および2の人たちは、介護保険を利用することができなくなります。さらに、年金などで一定以上の所得のある利用者の自己負担を2割へ引き上げるということです。

 

このポイントが、要支援1から要介護2の人たちに大きく関わってくることになります。…続きは本誌にて

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