ファミリー企業の不法行為で浮上した聖籠町長の「政治とカネ」
2014年11月28日
聖籠町の渡辺広吉町長が役員を務める民間企業が、県から許認可を得るべく虚偽の申請におよんでいた事実が発覚した。しかも不正は渡辺町長が役員に就任した後にも行われていることから、今後は同社役員としての監督責任を問われることになりそうだ。
漁師らが団結して会社設立
聖籠町次第浜の加治川河口の船溜まりの目の前に北冷モールド株式会社の本社および工場・倉庫がある。総敷地面積は7622平方㍍と広大で、町内に本社を置く企業としてはそこそこ名の知られた存在だ。
北冷モールドは発泡スチロール製品の製造販売を手掛けており、主な用途は魚箱をはじめ、干物などを収納する加工箱、贈答用みやげ箱など多岐にわたっている。
会社設立は昭和54年。初代社長は渡辺半次郎氏なる人物で、平成10年に死去。現在は半次郎氏の長男の渡辺定雄氏が2代目社長を務めている。
さる関係筋が話す。(60代男性)
「北冷モールドの創業者・渡辺半次郎氏と聖籠町の渡辺広吉町長は従兄弟同士、つまり母親同士が姉妹なのです。そして渡辺町長は町長2期目の平成12年に同社の役員に就任しているのですが、町政トップの地位にありながら、なぜそのようなタイミングで民間企業の役員となったのか以前から疑問視する声が上がっていました」
別の関係筋は北冷モールドの設立当時を以下のように振り返る。
「北冷モールドは地域の発展を目指して、今から35 年前に地元の有志が大同団結して設立した会社です。設立されたのは平野力太郎町長の時代でした。
初代社長の渡辺半次郎さんはもともと新潟で漁師をしていましてね、ほかにも聖籠町在住の漁師が何人も新潟に番屋を持って船を出していたものです。ところがその後、日本と諸外国との取り決めにより漁師は沿岸から200カイリを超えて漁ができなくなりました。北冷モールドはこのように漁師にとって死活問題である200カイリ規制を背景に設立された会社なのです」
(漁業関係者)
この関係筋によると、北冷モールド設立にあたって当時の聖籠町としても全面支援した経緯があるという。…続きは本誌にて