富山県議会で嘲笑されていた泉田知事
2014年10月29日
解説するまでもなく、来年3月開業の北陸新幹線で、速達型の「かがやき」は本県を素通りする。そのショックは富山の新高岡駅も同じだ。新潟、富山両県議会の9月定例会は新幹線問題で明け暮れた。富山県議会では答弁に「東の県(の知事)さん」が登場。泉田知事はせせら笑いの対象になっていたのだ。
新高岡もスルー
新潟県議会の9月定例会は、さながら「北陸新幹線県会」のようだった。8月27日、JR東日本、西日本は北陸新幹線の金沢開業日を〈2015年3月14日〉と発表した。同時に運転本数や編成、東京~富山、金沢間の到達時間など、運行計画の概要を明らかにした。
周知の如く速達型「かがやき」は県内を素通りすることが明らかになった。上越市など地元に限らず、県内の関係者が食らったショックは相当なものだ。その直後の県会だっただけに、9月定例会では連日「北陸新幹線」に関する質問や答弁が続いた。
事情は富山県でも変わらない。同県の新幹線駅は東から「黒部宇奈月温泉」、「富山」、「新高岡」の3つ。これらで速達型「かがやき」が停車するのは富山駅だけとされた。隣接の新潟からすれば違和感はないかもしれない。だが地元にとっては大きな痛手となっている。
富山県西部の高岡市は観光地である石川県の能登地方や岐阜県の飛騨地方の「玄関口」を任じていた。同市から能越自動車道や東海北陸自動車道を使えば、能登や飛騨は1時間半の圏内となる。両地方にとって最も近い新幹線の駅が「新高岡」だ。「飛越能の玄関口」というのが、同駅の売りでもある。
「新高岡駅」にはウィークポイントもあった。富山駅からの距離はおよそ19㎞しかない。上越新幹線で新潟~燕三条が約32㎞、燕三条~長岡は24㎞弱だ。これらと比較しても富山~高岡はいかにも短い。速達型「かがやき」は県庁所在地である富山停車が見込まれた。航空機との到達時間争いをする北陸新幹線が、果たして「新高岡駅」に停車するだろうか…?といった観測は以前からあった。
とにかく前述したJRの発表について高岡市の高橋正樹市長は「遺憾の意」を表明した。この高橋市長だが、元総務省(旧自治省)の官僚で、10 年前の中越地震の発生時、本県の副知事を務めていた。…続きは本誌にて