『減塩生活で血圧安定』
2014年10月29日
■医師データ
昭和63年新潟大学医学部卒。同大学循環器内科に入局。新潟市民病院、済生会新潟第二病院などを経て平成26年10月に開業。医学博士。
放置すると脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高まる高血圧。血圧が高めの人はしっかり治療をすることが肝要だ。そこで今回は、高血圧の治療には減塩が効果的と説く、さかい内科クリニックの堺勝之院長に減塩のポイントなどを解説していただいた。
「高血圧は動脈硬化や心疾患、脳卒中などを引き起こす恐れのある病気です。ただ、症状はほとんどなく、日常生活に困ることもないので、放置する人も多いです。高血圧の原因としては、体質・遺伝、塩分の取りすぎなどが指摘されています。
高血圧は健診で指摘されることが多いのですが、上が180以上というように明らかに高い人や、心臓肥大、腎臓病など臓器の異常が指摘されるようなら、薬物による治療を行わなくてはいけません。
そこまでいかないまでも、いろんな時間帯で測ってみて、やや高い状態が続くというような人には、治療のファーストステップとして減塩をお勧めします。
減塩生活というと味気ない食事を続けなくてはいけないのだろうか、などという心配は一切ご無用です。要は、工夫して楽しい減塩生活を送ればいいのです。
日本高血圧学会は1日の塩分摂取量を6グラム以下に抑えることを推奨しています。そこで、ご家庭で塩を購入する際、必ず成分表示を見ることを心がけてください。成分表示で注目するのがナトリウムの量です。全体量100グラムあたりナトリウムが何グラムと書かれている場合が多いのですが、その表示されているナトリウムのグラムを2・54倍した数字が塩分量のグラムとなります。例えば、100グラム中のナトリウムが1グラムと表示されていれば2・54グラムの塩分が含まれていることになります。
同じ塩なのに、一般のお塩には100グラムあたり99グラム以上の塩分が含まれるのに対して、ある天然塩では100グラムあたり塩分量61 グラムというものもあります。同じ100グラムの塩なのに、一方の塩分は99グラムで他方は61グラムというのは大きな違いです。
なぜこうなるのかというと、後者はナトリウム以外にもカルシウムやカリウム、マグネシウムといったミネラル成分が豊富に含まれている天然塩だからです。それらのミネラル分が含まれていると、まろやかで味わいの深い、美味しい塩になります。 一方、前者は成分のほとんどが塩ですから、俗にいう塩辛い、刺激の強い塩ということになります。…続きは本誌にて