BRTは「見直し」から一転「白紙」へ 吉田孝志候補の動向
2014年09月29日
投票日まで3カ月を切っても現職が去就を示さない、対抗馬が公約を発表しない…。新潟市長選のそんな状況にとうとう終止符が打たれた。さらに2人目の対抗馬も出現し、11月9日投開票の市長選は三つ巴となる公算だ。ここでは、今春に出馬を決めた前新潟市議・吉田孝志の動向を追う。(敬称略)
BRT反対論者は撥ねつけ
8月11日、元新潟市議会議長・松原藤衛はこんな言葉を口にした。
「いろんな政治家が(市長の)任期がどうとかいうが、なぜ政策論争をやらないのか。新潟市のあるべき姿を真剣に議論した上での批判なのか」
発言の場は現職・篠田昭市長の支持者の集会。この時点で現職は4選出馬を表明しておらず、同会では支持者が現職の続投を願った。
松原が言う「任期」とは、現職が公約に「市長職は3期12年でけじめ」と記したことを指す。
「現職の4選出馬は濃厚と言われる。では、”けじめ”を撤回するつもりなのか」
こんな議論が続いた新潟市長選に、現職が正式に出馬表明をしたのは9月2日。投開票日まで残り70日を切ったタイミングだった。現職は、東日本大震災により公約は「リセット」されたとした。
一方、今春に出馬を決めた吉田孝志は追って5日に記者会見を開き、公約を発表した。
市長選はこの日まで、現職の「けじめ」議論や吉田の「禅譲」の話題が主だった。政治的駆け引きが先行し続け、有権者たる市民には不甲斐なく映ったかもしれない。
今回の市長選の一大争点は新潟市が導入を進めるBRT(連節バスを用いた新交通システム)。
BRTには市民からの批判が根強い。9月4日、現職の後援会事務所での集会で、ある出席者は現職にこう投げかけた。
「BRTも”リセット”してはどうか」…続きは本誌にて