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2024年11月24日

ワイド新潟市長選 篠田4選への電撃踏絵作戦 その誤算と混乱

2014年08月26日

11月9日投開票の新潟市長選もいよいよ佳境に入ってきた。篠田昭市長は8月20日までに、4選に向けた地固め、〈市長職は連続12年でけじめ〉としたマニフェストを翻すに足る大義名分づくりを終えた。あとは出馬を正式に表明するばばかりだった。着々と駒を進めた同市長だが、いくつか誤算もあった(文中一部敬称略)。

 

吉田は”踏み台”

 

篠田昭市長が4選に向け出馬を表明するためは、いくつかの”儀式”を経る必要があった。4年前、3選時の『〈安心政令市にいがたマニフェスト』で、〈 長期・多選への自制 ・市長職は連続12年でけじめ〉、としていたからだ。このくだりを読めば、誰しも「篠田の4選出馬はない」と感じる。そしてそう思った吉田孝志前市議は、3月に名乗り上げた。

 

これで篠田市長は「しめた」と感じたのかもしれない。同市長の周辺は常々こう言う。「今、名前が挙がっている人(吉田孝志前市議のこと)の一般的な評価は決して低いものではありませんが、後事を託すことができるかということに関しては疑問が残る」

 

篠田市長自身も、「吉田は何をやりたいのか分からない」と述べているようだ。「吉田では頼りない」と思うなら、〈12年でけじめ〉とした市長自身は4選に出馬せず、後継たるべき人物の擁立に向かうのが筋だったはず。

p38

 

 

ところが篠田市長は違う選択をした。「頼りない」吉田の出馬を幸いに、公約を曲げても自身が出馬する方向に進み始めた。吉田前市議は篠田市長が4選に向かうための〝踏み台〞のような役割を果たすことになってしまった。吉田の
出馬表明以降、篠田4選は急に現実味を帯びてきたように思える。

 

だが〈12年でけじめ〉の公約は消えない。その呪縛から篠田を解き放つ儀式が、8月11日に行われた「篠田昭市長の続投を求める市民集会」だった。ここで市長後援会の関係者が「早く決断しろ」、「全力応援する」と篠田の背中を押
した。そして〈時計の針を12年前に戻すようなことをしていいのか〉とするアピールが読み上げられた

 

次いで8月20日、新潟経済同友会の池田弘筆頭代表幹事らが呼びかけた篠田市長続投の「要望書」や、その賛同者の名簿を市長に手渡す儀式が行われた。賛同者は経済界を中心に募られ、農業や市民団体の関係者らも発起人に名を連ねていたという。

 

こうした支持者や市民、そして経済界など各界各層からの「4選出馬支持」を演出し、〈12年でけじめ〉とした公約をふっ飛ばそうとしたわけだ。…続きは本誌にて

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