弥彦村長選の最大争点は競輪事業の未来
2014年08月26日
2015年1月、弥彦村は36年ぶりの村長選を迎える。現職は今春早々に議会で出馬宣言し、対抗馬は今夏、正式に出馬表明をした。ほかに候補者が現れる気配はなく、一騎打ちとなる公算が高い。弥彦競輪が岐路に立たされている今、平成初の村長選の意義は大きい。彌彦神社や有力企業を味方につけた現職と村民派候補の戦いの行方は。
「1パチ」状態の弥彦競輪
弥彦村のイメージを問われれば、弥彦競輪と彌彦神社を挙げる人が多いだろう。過去、これらは村の観光・経済を支える両輪だった。
しかし現在は”単輪走行”への危機に瀕している。競輪事業の経営が芳しくないのだ。
「弥彦競輪は通常の開催は赤字ばかり。GⅠレースである寛仁親王牌の開催で、その分の赤字を一挙に取り戻しています」
周辺自治体の住民はそう話すが、競輪事業の内情を知る者は「そう単純な話ではない」と顔を曇らす。
寛仁親王牌の売り上げは確かに凄まじい。その売上額は、弥彦競輪の年間売上高の3分の2に相当する。ただそれだけのレースである以上、手間も経費もかかる。後に登場する弥彦村長選の新人候補者によれば競輪事業は、
「売り上げは大きいがコストもすごく大きい」。
弥彦競輪場では今年4年連続4回目となる寛仁親王牌が7月18~21日に開催された。今回の売上額は92億8千万円。前回比マイナス7億4千万円で、弥彦競輪場での開催では過去最低となった。
もともと、今回の寛仁親王牌は売り上げが不安視されていた。
「昨年、日本競輪選手会内部で騒動がありました。その結果、SS級と呼ばれる超一流の選手たちに一定期間の出場停止処分が下ったのです。寛仁親王牌といえどトップ選手が不在では例年より魅力に欠けます。今回の売り上げ減は致し方ないと言えます」 (村民識者)
処分を受けた選手の多くは、今年8月以降のレース復帰が認められた。寛仁親王牌は7月開催なので、復帰にはギリギリ間に合わなかったことになる。…続きは本誌にて