新潟交通バスカード窃盗事件で露呈したBRTの暗雲
2014年06月26日
新潟交通の社員が、社内から換金済みのバスカードを盗んで逮捕された事件。逮捕されたのは政令市の新交通BRTプロジェクトの中心人物。一見、バカな一社員がいただけという話だが、この事件が示唆するBRTの危機的状況とは何か。
かくも粗い手口
「弊社では、平成25年9月末をもちまして路線バスに導入しておりましたバスカード・回数券のご利用を終了し、未使用または残額のあるバスカードのご利用終了に伴う払い戻しの対応をしておりました。
本件は、弊社が払い戻しを受付したバスカードと払戻金との突合の過程でバスカード紛失が発覚し、その後、警察に被害届を提出しましたが、本日、警察の捜査で当該社員の約603万円の窃盗容疑が判明して、本件逮捕となりました」
これは、5月13日付でマスコミ各位に向けて新潟交通本社が発表したリリースの抜粋である。
いったいどういうことなのか。
新潟交通の36歳の社員が窃盗(その後、詐欺で再逮捕)で新潟東署に逮捕されたというニュース。御存知の読者も多いはず。
同社で発行していたバスカードが昨年9月に廃止になり、それに伴って未使用分の換金を受け付けていたが、利用者から持ち込まれた大量の換金済みカードを社内から盗み出し、知人の女(同じく逮捕)に再度持ち込ませて換金させ、約600万円を得ていたという。「大量のバスカード紛失を受けて換金した額と照合した結果、多額の二重払いが発覚した。会社では本社勤務社員の一人一人の預金口座まで調べたという話ですよ。
逮捕された社員は独身。一緒に逮捕された女は、クラブのホステスだと聞きます。要するに、非合法な手段を用いて“貢いだ”というわけです」 (ある社員)
それにしても、新潟交通のセキュリティというのはこれほどユルいものなのか。大量のカードを簡単に盗み出せてしまうという保管状況もさることながら、二重払いすらチェックできない管理体制なのである。だいたいにして、それほど大量のバスカードが持ち込まれれば、怪しいと思わないのだろうか。「金券ショップなどが、持ち込む場合がありましたからね。もちろん、日にちを特定して受け付けるわけですが、日時を事前に知って換金に行かせたのでしょう」 (同)
見たところ、やり方が実に粗い。社内の人間が行うにはあまりにもリスキーな手口。要は会社の管理体制が完全にナメられていたということだろう。…続きは本誌にて