小沢一郎を強制起訴に追い込んだ検察審査会と最高裁の闇 第2回
2014年04月24日
前号では、森裕子・前参院議員が一市民を名誉棄損で民事提訴した一件を詳しく報じた。森前議員と〝一市民〞こと志岐武彦氏(東京都在住・71)との法廷闘争は、検察審査会とそれを管轄する最高裁を抜きにして語ることができない。志岐氏は断言する。強
制起訴に追い込んだ東京第5検察審査会の検察審査員はそもそも存在していなかった。起訴議決自体が〝架空議決〞だったのです」―。今回は同氏にその根拠を示していただくことにしよう。
森裕子裁判の根底にあるもの
元旭化成役員の志岐氏がインターネット上に開設しているブログ〈一市民が斬る!!〉は、小沢事件の真相を追求することが唯一無二のテーマとなっている
小沢事件とは、民主党幹事長(当時)だった小沢一郎議員の政治資金管理団体「陸山会」が政治資金収支報告書に虚偽記載をしたとして同議員が強制起訴され、結局のところ無罪判決を言い渡された誰もが知るあの事件のことだ。
そして前号では、ブログの一部内容が名誉棄損に当たるとして、森前参院議員が志岐氏を相手取って500万円の損害賠償請求におよんだことを報じた。現在も東京地裁で係争中だ。
一方、本稿では志岐氏が一貫して主張している「小沢議員を強制起訴すべく2度にわたって起訴議決をした東京第5検察審査会の検察審査員はそもそも存在していなかった」「起訴議決自体が“架空議決”だった」とする、その根拠を徹底検証していくこととしたい。
というのも志岐氏がそのような見解を示しているのに対し、森前議員は東京第5検察審査会が開かれたことを前提に「検審の起訴議決は検察の捏造報告書によって誘導されたもの」と公言。両者間の争いの根っこにはこうした決定的な主張の食い違いがあるからだ。
それを背景に志岐氏は森前議員について〈肝腎の最高裁への追及がなくなったのだ〉〈森氏にしてみれば、最高裁追及を止めて、議決は検察の捏造報告書のせいにしてでも、早く小沢氏の無罪判決が欲しかったのではないか〉などとブログに記述。
これを受けて森前議員はブログの内容が名誉棄損に当たるとして、同氏を相手取って損害賠償請求を起こしたという流れだ。
裁判の成り行きはひとまずおくとして、志岐氏が「東京第5検察審査会は実際には開かれていなかったのではないか」と考えるようになったきっかけが、前号でも紹介した検察審査会事務局発表の不可解な審査員の平均年齢だった。…続きは本誌にて