『プライマリ・ケアの 取り組み』
2014年02月26日
松村 健一郎 氏
■医師データ
昭和59年、新潟大学医学部卒。水戸済生会病院、長岡中央病院、新潟労災病院などを経て平成16年に開業。
今の日本の医療は、臓器別に専門化された専門医療が主流だ。それに対して、あらゆる疾病に総合的・継続的、そして全人的に対応する医療のことをプライマリ・ケアという。今回は新潟市西蒲区(旧巻町)でプライマリ・ケアを実践する松村醫院の松村健一郎院長にお話を伺った。
「私は患者さんと接する際、『自分は医者である前に人間である』と肝に銘じています。患者さんの痛みやつらい思いを少しでも理解できるようにと考え、なるべく患者さんに寄り添うような診療を心がけています。来院される患者さんには、体の症状でお困りのことや不安なことなどなんでも話していただいた上で治療方針を説明し、一人一人のご希望に添えるような医療を目指しております。
地域には、その土地ならではの疾患が多いというケースがあります。例えば、私が開業している地域には柿農家が多いという特色があり
ます。柿は高いところに成りますから、春はつぼみの間引きや防虫対策、秋の収穫など多忙を極めるシーズン中は脚立に登ったり降りたりの繰り返しです。そんな生活を長年続けた結果、膝の軟骨がすり減って痛みが生じる、変形性膝関節症を患ってしまった方が当院にもたくさん来院します。その方たちに対して、ご希望やご要望を伺い、治療計画を作成していきます。みなさんライフスタイルが違いますから、ご希望やご要望も違ってきます。痛みを取って日常生活に支障の無いようにしたい、農作業ができるようになりたい、余暇を楽しく過ごせるよう仲間とスポーツしたいなど千差万別です。そのニーズに合わせて、一人一人、治療方針を立てていくわけです。…続きは本誌にて