─「浮気妻に息子の親権は渡せない」父親奮闘する─
2013年12月26日
小学校2年生の一人息子への思い
当事務所では浮気調査など、夫婦間の不貞問題に端を発する案件を常に複数件抱えていますが、その際に依頼者に必ず確認させていただくことがあります。現段階のお考えとして離婚を前提としていらっしゃるのかどうか? 離婚を前提としておられる場合、お子さんの親権獲得を希望するのかどうか? この2点です。
一昔前ほどではありませんが、やはり〝子供はお腹を痛めた母親のもとで育てたほうがよい〞といった考え方が世間の主流です。しかし、場合によっては父親のほうに親権を付与したほうがよいと判断されるケースもあります。そこで今回は、親子の絆のありようを考えるに相応しい事件ファイルを紹介することにしましょう。
2013年秋、県内某所から遠路はるばる当事務所に相談にいらしたその男性は、近田亮一さん(仮名・43)とおっしゃいます。
「嫁の浮気調査をお願いしたいと思いまして…」
近田さんが続けます。
「私はこの際、離婚は致し方ないと腹を括っているのです。問題なのは一人息子のことで、離れ離れになるのはどうにも耐え難いのです。
浮気の証拠をきっちり挙げてもらって、息子の親権を獲得できるように離婚条件を持っていきたいと考え、相談に参った次第です」
お子さんは小学校2年生だといい、今がまさに可愛い盛りです。近田さんのお気持ちは痛いほど分かります。
とはいえ私にはひとつ気になることがあります。近田さんはなぜ、奥さんの不貞行為にこれほど確信を抱いているのでしょうか?
近田さんご本人はこうおっしゃいます。
「別に浮気現場を自分の目で見たわけではありません。
実際、嫁が浮気をしているらしいという話は〝ママ友〞っていうんですか、子供の同級生のお母さんが私に聞かせてくれたのです。最近では、嫁からすると義理の親にあたる私の両親に、息子を預けて出掛ける機会がやけに増えました。
それも勤務先の飲み会だ、ママ友の飲み会だと理由をつけては、月に何度も息子を預けていくのです。預けた晩、息子は私の実家に泊まりになります。私が主に九州方面の長距離トラックの運転手をしていることをいいことに…」…続きは本誌にて