軍備増強の危険な罠が潜む 新潟の「極東ロシア農業技術支援」
2013年08月26日
新潟市をはじめ、県、亀田郷土地改良区、さらには民間企業が極東ロシアに対する農業技術支援に乗り出すことになった。これにより篠田昭・新潟市長はロシアとの経済交流に期待を膨らませているようだが、一方では「安易な支援は日本の国益に反する」との厳しい批判の声も上がっている。こうした反発の前提となっているのが、過去に幾度となく繰り返された日露関係におけるロシア側の背信行為だ。今こそ歴史を振り返って、ロシアとの付き合い方を考えるときではないか。
軍の耕作放棄地に技術支援
さる経営者が開口一番いう。「新潟日報の記事を読んだとき、〝バッカじゃなかろうか〟と思いました。7月9日付の新聞です。〈新潟の技術 極東ロシアへ〉の見出しで、新潟市と県、亀田郷土地改良区、それに県内外の民間企業が極東ロシアに農業技術を支援すべく、訪問団がウラジオストクに向かうというのです。
記事には篠田市長の〝新潟とロシアとの新しい経済交流の芽を大きく伸ばしたい〟とのコメントが載っていますが、寝ぼけたことを言うのも大概にしていただきたいですね。極東ロシアに対して農業技術を支援するということは、すなわちロシア軍を支援するということにほかならないのですから」 (新潟市の会社社長)
新潟市をはじめ、県、亀田郷土地改良区、三井物産などからなる「ロシア沿海地方農業・経済協力訪問団」が7月10日から3日間の行程でウラジオストクを訪問した。
篠田市長をはじめとする訪問団はウラジオストク市長を表敬訪問し、都市基盤整備について意見交換したほか、日本でいうところの県庁に当たる沿海地方政府を訪問、農業技術支援の在り方などについて話し合ったという。
ロシアに対する農業技術支援プロジェクトを中心となって進めている新潟市の地域・魅力創造部によると、訪問団は農業技術の支援対象となる広大な土地を視察。現場ではかつて耕作が行われていたが、現在は使用されていないという。
こうした耕作放棄地は極東ロシア各地に点在しており、合算すると敷地面積は1万㌶にも上るとされる。これは新潟市でいえば信濃川、阿賀野川、小阿賀野川に囲まれた亀田郷地域に匹敵する規模だ。…続きは本誌にて