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2024年11月22日

誰かが嘘をついている?

2013年08月26日

暗礁に乗り上げた 新潟大学不正契約問題の行方

 

新潟大学の高額医療設備導入をめぐる不正契約問題は、事件発覚から2年以上が経過したものの、支払い請求を申し立てた安藤建設との民事訴訟は、双方の主張が平行線を辿ったまま解決の糸口は見えてこない。デッドロックに陥ったこの問題を、改めて検証してみた。

 

大学が告訴した教授は不起訴に

 

まずは事件のあらましを駆け足で説明するところから。平成23年4月、新潟大学に約100億円の高額医療設備の購入をめぐって不正契約問題が浮上していることが発覚した。高額医療装置は後に米国製の「がん陽子線治療装置」と判明。

 

大学側の主張は、当時執行部理事だった男性教授(後に永山庸男元副学長と判明)が独断で購入計画を進め、大学の意向を無視して契約に及んだというもの。その上で契約の無効を訴えている。

新潟大学医歯学総合病院

 

永山副学長は、件の米国メーカーと独占交渉契約を結んでいた安藤建設と独自に接触。新潟大学に装置を導入させたい安藤建設が頭金の約18億円を仮払いし、後に〝地位譲渡〟の契約を大学側と交わすというシナリオに沿ったのだという。

 

同年8月には安藤建設側が、新潟大学に対し「仮払い分+手数料」にあたる約19億円を支払い請求する民事訴訟を起こした。事件の詳細は外部にかん口令を敷かれながら泥沼化の一途をたどった。

 

大きな焦点となっているのは、大学側、特に下条文武学長に、高額医療装置導入の意向があったかどうか、同学長が契約に直接関わっていたかどうかという点。学長が直接関わっていたとすれば、大学側は一切の申し開きができないまま安藤建設に対し19億円を支払う義務が生じる。…続きは本誌にて

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