火中の栗を拾う新大学長選はまたしても不測の事態か
2013年08月26日
新潟大学の次期学長選考がスタートし、5人の候補者が出揃った。先の不正契約事件を経て、未曾有の危機を収拾すべく新学長となるのはどの人物か。予定調和の国政選挙などより、人間関係がドロドロするこちらの選挙の方が、実はずっと面白いのだ。
火中の栗争奪戦
新潟大学の次期学長選考は毎回のように面白い。別に派手な選挙活動が展開されるわけでもない(というか、選挙活動的なものは一切ない)し、当選しても涙も万歳もない。それでも、人間関係が複雑に織り成すドラマ、過去から綿々と受け継がれる〝オデュッセイア〟は実に興味深い。
〝因果はめぐる風車〟とはよく言ったものだ。
3期前の長谷川彰学長(理学部)が再選した学長選では、結果が選考に反映されるはずの第二次意向投票で次点だった長谷川氏を選考委員会が選出。密室の逆転劇が批判の的となり、ひいては訴訟にまで発展する事態となった。
2期前、医学部の下条文武氏が選出された際には、こうした〝ボタンのかけ違いを正す〟という道義のもと、医学部が一枚岩を構成し学長ポストを取り戻す。
そして2年前の前回は、直前に例の〝不正契約問題〟が発生。執行部の責任が追及され下条学長の進退も窮まる一方、裁判を戦う上で現体制の継続性は必要との見方が強まったのか、結局は下条学長再任という落としどころになった。
さて今回もやはり、未だ決着の目を見ない不正契約問題の後始末が争点になるのは間違いない。…続きは本誌にて