『緑内障』2回目
2013年07月26日
笹川眼科院長
笹川 智幸 氏
■医師データ
新潟大学医学部卒。秋田赤十字病院、佐渡総合病院、京都府立医科大学助手、南部郷総合病院、新潟大学医歯学総合病院助手などを経て平成18年に開業。眼科専門医。
中途失明の原因の1位という緑内障。先月号は病気全体の説明で、この病気を理解していただくことに努めたが、今月号では病気の発見から治療までを取り上げる。解説は先月に引き続き笹川眼科の笹川智幸院長。
「緑内障について、2回に分け今回は、緑内障はどのように見つけて、治療していくかをお話しします。
緑内障は目の硬さ(眼圧)に負けて視神経が弱っていく病気です。病気が始まると10万本あるといわれる神経線維が徐々に脱落していきます。進むと視神経の形が凹んでいるのが観察されます(視神経乳頭の陥凹拡大と言われます)。その後、ものの見える範囲(視野)に障害が出始め、最後には視力が落ちてきます。まとめると、まず神経の形が変わり、見る力が落ちていき、自覚症状が出てくるのは最後の方です。
一度やられた神経はもとに戻らないので、早期発見し治療するのが大事です。自分で気が付かない病気を早く見つけるには健康診断が重要です。特に有用なのが眼底写真での検診です。40歳を過ぎたら必ず受けるようにしましょう。
検診で疑わしい場合、眼科での詳しい検査を受けます。一般的にはすぐに治療や手術とはならず、多くの検査から緑内障の状態を見極めることになります。緑内障の進行程度(視野の障害の程度)、眼圧の高さ、患者さんの年齢などから、治療の目標となる目標眼圧を設定するのが理想的です。その後、定期的な検査を行い、目標値を評価・変更していきます。手術については点眼治療でどうしても目標に至らない場合に検討されると理解してください。…続きは本誌にて