新潟市BRT説明会の惨憺たる帳尻
2013年06月27日
結果として市政に対する不満派を大喜びさせることになった。新潟市が市内各地で開催した新バスシステム(BRT)説明会のことだ。この事業だが、すきが多く攻める側にとってはまったく好都合。いずこの説明会でも市の担当者、新潟交通に対する批判めいた意見だけが目立った。
やっぱ土足厳禁でしょ
新潟市は公設民営で連節バスを運行する新バスシステム(BRT、バス高速輸送システム)の導入を目指している。第1期の導入区間はJR新潟駅から西区の青山まで。平成26年度中の開業を目指す。
5月から6月にかけ、この計画の市民説明会が市内各所で行われた。まず連節バスが通る沿線9地区のコミュニティ協議会ごと、次いで8つの区ごとで開催された。いずれの説明会でも進行はほぼ同じ。まず市役所と、市と協定を結んだバスの運行事業者である新潟交通の担当者が事業の中身を説明する。その後に参加者と質疑応答が行われる。
公設民営のBRTだが、とんと良い評判が聞こえてこない。この種の会合ではありがちなのだが、説明会でも参加者からの意見は大半が厳しいものだった。
〈テレビでの発案者(市長?)の『万代橋の上を(連節バスが)走るのは格好良いじゃないですか』との言葉には驚きと怒りを感じた。この程度の考えで多額の血税が使われるのは最大の不幸。市・新潟交通の説明ではバラ色の人生が約束されるような話だが拙速過ぎる〉(東青山地区で行われた説明会のアンケートより)
新バスシステムの全体事業費は約30億円、このうち平成26年度の開業までが約12.7億円(うちおよそ半額が国費)。トータル8台(当初は4台)導入するという連節バスの購入費は約9.4億円。1台1億円を超える買い物だ。
日本に初めて鉄道がお目見えした頃、人々は有り難がって履物を脱いで客車に乗り込んだという。以下はやや伝説めいた話。かつて県庁に出向していた国の官僚が何十年ぶりかに来県した。そして現在の県庁を訪れた際、靴を脱いで上がろうとしたという。まあ幾分皮肉も込めていたのかもしれない。この元役人なら新潟市の連節バスに乗る際、「土足厳禁」を通すかも。
それはさておき、新潟市が計画する新バスシステム全体事業費を20年で割り返すと年間約1.5億円(車両のみで年間約5千万円)になる。…続きは本誌にて