アベノミクスマネー流入! 新潟版不動産バブル到来の兆し
2013年05月28日
アベノミクスによる株価上昇を受け、首都圏の投資用マンションなどは絶好調。都心部の不動産物件が破格の値段を付け続けているといった情報もある。かつてのバブル経済とまでいくかどうは不明だが、バブル到来の可能性を示す予兆は新潟の不動産事情にも表れている。消費税アップ前の駆け込みを背景にした短期のプチ・バブルか、再び不動産が投資の対象として脚光を浴びることになるのか。
タワーマンション好調
新潟市の不動産業者が言う。この業者は〝バブル〟といった類の浮いた話とは逆サイドで仕事をしている。不動産の任意売却による破たん処理、事業再生が主な業務だ。
「駅南にある31階建の高層マンション、シティータワー新潟が完売しましたね。やはり背景には株価の上昇がある。昨年2月に日銀が金融緩和策を発表した際も、一時的に東証一部の銘柄が大幅にアップした。そしてアベノミクスと日銀の異次元緩和だ。いわゆる金融緩和マネーが株に向かい、そこで膨らんだ金が地方の不動投資に向かったという格好だ。株で儲けているような投資家連中は、銀行に預金なんかしませんからね。マンションに投資することで税務対策を行い、家賃収入によって投資を回収し、さらに利益を得るという恰好です」
「シティータワー新潟」について、確かに販売業者は〈完売御礼〉の看板を掲げている。仮に前出の指摘が事実とすれば、かつてのバブルと同じような構図だ。だが一概に信じがたい面もある。
このマンションを含む複合ビル「LEXN」(レクスン)は3年前に竣工した。店舗やオフィス、マンションなどからなる「LEXN1」を中心に、地上11階建の「LEXN2」、地上7階建の「LEXN B」からなる。全体の事業費は約130億円。このうち3分の1は国や市の補助金が充当されている。
「LEXN」は着工の翌年(平成20年)、リーマンショックに見舞われた。それまで新潟でも景気は回復基調だったが、特に不動産が被ったダメージは大きかった。「シティータワー新潟」は全237戸、販売価格は2千万円台の後半から5千万台の半ばまで。「竣工時で6割売れ残っている」という話もあった。
とにかく完売はめでたい事態だ。「アベノミクスや株価上昇との関係は不明だが」と前置きし、新潟市内のデベロッパーが言う。
「新潟市内の場合、マンションン供給過剰気味でした。もともと中心市街地のマンションよりは郊外の戸建て志向が強い土地柄ですが、新築マンションについては確か売れ行きがいいです。今はダンピング販売などする必要はなくなっています」
当然ながら「消費税アップ前の駆け込み需要もある」と言われる。バブリーな現象と言うより、「マンションの好調は実需に基づく」という意見が一般的だ。…続きは本誌にて