なぜ米どころカンボジアに米を? 連合新潟の”善意”をめぐりネット紛糾
2013年05月28日
この3月に連合新潟が、アジア・アフリカの貧窮する地域に県産米を送る事業を行った。送った先はカンボジア。しかしこれがネットで物議を醸す展開に。同国は世界有数の“米どころ”として知られている。なぜカンボジアに?
穀物自給率120%超の国
「連合新潟が、食糧難に苦しむ国を支援しようと“アジア・アフリカ救援米”としてコシヒカリなど約1・2トンをカンボジアに向け発送した」というニュースが、3月22日の日刊紙に報じられた。
日本労働組合総連合会、いわずと知れた国内最大の労働組合ナショナルセンターである通称「連合」の新潟県組織が連合新潟。
政治的には民主党の支持基盤としてお馴染み。
連合新潟では1997年から毎年、県内の休耕田等を利用して組合員が田植えや稲刈りを行い、その米を食糧難に苦しむアジア・アフリカの発展途上国に送っているのだという。
一見、何のことはない(と言っては失礼かもしれないが)美談に聞こえる。引っかかるといえば1・2トンという“救援米”と呼ぶには実に微妙な量くらいだが、これはこれ“大事なのは気持ち”である。
しかしこのたわいないニュースが、インターネットの社会で物議を醸した。
カンボジア在住の某氏によるサイトが発端だという。
“カンボジアは米だけは大量に獲れる”
言われて見れば確かにカンボジアは世界有数の米作地帯である。肥沃なモンスーン気候のメコンデルタを中心に二期作も定着し、穀物自給率は120%を超える。米農務省発表の統計によれば年間120万トンの米を輸出しており、国内で余った米は家畜の飼料にも使われているのだという。…続きは本誌にて