本業の“金融道”で坂上弁護士に完敗した第四銀行「痛恨の大失策」
2013年03月25日
第四銀行が融資先を相手取って起こした裁判で、最高裁は同行の上告を棄却、第四の敗訴が確定した。第四が自ら提起した裁判で負けるのは極めて異例だが、敗訴を余儀なくされた最大の要因は、地元トップバンクらしからぬ第四の大失策にほかならない。第四から訴えられた融資先の弁護に当たった弁護士生活60年の大ベテラン・坂上富男弁護士は、「第四銀行の訴えは濫訴であり、横暴にほかならない」と一刀両断にする。
倒産会社に3千万円も融資!?
「私は裁判で争った7年余りの間、心の休まるときはありませんでした。しかしこうして勝つことができ、ホッとしています。やはり坂上先生のお力は大したものです」
こういって安堵の表情を浮かべるのは、見附市でニット製造会社を経営する吉田周治氏(82)。
「坂上先生」とは元衆院議員の坂上富男氏のことで、同氏は86歳となった今も現役の弁護士として活躍している。
それにしても掲載写真を見てのとおり、このご両人、どこからどう見ても80歳をとうに過ぎているとは思えない若々しさを保っている。ここはひとつ健康法でも聞きたいところだが、残念ながら今回ばかりはそうもいくまい。
なにせ坂上弁護士と吉田氏が手を組んだ“シルバー原告団”が勝訴した相手方というのが、県民なら誰もが知る地元地銀トップの第四銀行なのだから。
第四が平成20年、吉田氏に対して2445万円余りの支払いを求めて新潟地裁に起こした裁判は昨年1月末に判決が言い渡され、裁判所は第四の請求を棄却した。
続く二審・東京高裁も第四の控訴を棄却。さらに今年1月末、最高裁が第四の上告を棄却したことにより、同行の敗訴が確定したのだった。
しかしながら第四銀行と吉田氏との争いはこの5年ほどの間の出来事ではなく、そもそもの発端は昭和40年代初めにまで遡らなければ語り尽くせない。
いささか古い話ではあるが、とはいえ両者間の争いの本質はいたって単純明快だ。一言でいえば「第四銀行は吉田氏にお金を貸したのか、それとも貸していないのか」―。これが唯一の争点なのだから。
いうまでもなく第四は「吉田氏にお金を貸した」と主張し、吉田氏は「第四からお金は借りていない」と全面否定を貫いた。…続きは本誌にて