議会紛糾! 燕市、3年前の死亡事故で遺族から提訴される
2013年03月25日
平成22年1月に、燕市の住宅地で、48歳の女性が排水路に落ちてそのまま力尽き凍死するといういたましい事故が発生した。正常ならばフタがされているはずの排水路。果たして責任の所在は誰にあるのか。そしてこの事件をめぐった議会の紛糾とは?
占用許可とグレーチング
平成22年1月26日午前6時50分頃、燕警察署に「道路にうつぶせに倒れている人がいる」という通報が入る。場所は燕市郊外、旧吉田町日之出町地内の市道。国道116号から程近い場所である。通報からまもなく救急車が到着したが、既に意識、呼吸、脈拍は停止しており死亡が確認された。死亡時刻は発見時を遡ること3~4時間と推定された。
亡くなったのは現場から目と鼻の先にあるアパートに住む48歳の女性(会社員)。年齢から判断しても、いわゆる老人の行き倒れとは一線を画すとのは明白だった。亡くなった女性には額のコブ、鼻血意外に致命傷と思われる外傷は確認されず、ひき逃げ等の事件性は薄いとされていたが、司法解剖の結果、死因は凍死と断定された。
女性は上半身までびっしょりと濡れており、現場付近の排水溝から所持品のバッグが見つかっていることから、この排水溝に誤って落ち、ようやく自力で這い上がった後に倒れたという観測が持たれた。右手にも擦り傷が確認され、最後の力を振り絞って脱出した後に、その場で力尽きたと見られている。
現場近くの排水溝は、幅が約1・6m、深さ約1・5mというもので、転落して溺れるほどではないものの、かなりの深さがあり、48歳の女性という点を考えれば這い上がるのは相当の体力が消耗されるのは明らかだった。
この排水溝自体は燕市の市有財産だが、「特定公共物占用」が認められており、事故現場に隣接する店舗「ワークマン吉田店」が占用者として目的外使用を認められていた(現在も継続中)。…続きは本誌にて