国の地方公務員給与8%削減要請にゴネる地方自治体
2013年02月28日
一部の地方自治体では、公務員の退職金が年度末前に下げられた。手取りが少なくなる前に退職する地方公務員が続出し、その姿勢が疑問視された。加えて安倍政権は、国家公務員より給与水準が高くなっている地方公務員の給与を、国並みに下げてほしいと“要請”してきた。地方にしてみれば“泣きっ面に蜂”だが、民間企業に比べれば恵まれているのだ。
国の「要請」は「強制」
地方自治体にはいま、民間で言うところの「リストラ」が吹き荒れている。本県も無論、例外ではない。
定員管理の名のもと、公務員の数を大幅に削減。その結果、パートが激増。だが、時間外労働は減らない。職員の不満が高まった。
退職金が民間に比べ高いと言われ、国家公務員は退職金が減額されることになった。国は同じことを地方に要求。平成25年度を待たず減額を実施した地方自治体もあった。減額平均額は平均300万円とも400万円とも言われている。減らされては適わないと、駆け込み退職が相次いだ。
さらにいま、給与カットを国から要請されている。
「人もカネも減らせ」
国からそう言われた。地方は反論する。
「十分に減らしてきた」
確かに、本県では中越地震などへの復興費捻出のため、先行して給与を減額した経緯がある。それでもなお、「減らせ」と言われるのだから、首長のイライラは募るばかり。多くの首長が不平不満を垂れ流している。
国家公務員は、今年度つまり平成24年度から2年間、平均で7・8%の給与を減らしている。目的は、東日本大震災の復興財源に充当するため。この措置により、地方の給与が国を7%も上回ることになった。
国は、地方にも国並みの減額を要請。減額したお金を、それぞれの自治体の防災や減災、まちづくりなどの事業に使うよう求めている。一方で、給与など人件費にも使える地方交付税交付金の減額を決めた。交付税減額を先に決め、人件費の減額を自治体に委ねた。これはもはや、国による地方への強制に等しい。…続きは本誌にて