ワイド 解散総選挙 協奏曲
2012年12月26日
12月16日に投開票が行われた衆院選では、県内6選挙区の民主党議席が一掃され、全て自民党候補が勝利した。しかし実感として自民にそれほどの風が吹いた印象はない。民主政権3年間の総括的意味合いが、この異常とも言える投票行動に繋がったのは間違いないだろう。果たしてこの結果に実質は伴うのか。県内選挙区で“何が起こっていたのか”を敢えて検証したい。
中田宏(元横浜市長)に押し出された5区米山隆一“次の一手”
日本維新の会公認で5区から出馬した米山隆一は、選挙区で長島、田中の後塵を拝し、敗者復活の比例でも次点に終わった。不遇が続く米山の選挙人生だが、それでも政治への想いは飽くことがないようだ。
ヨ~ネ・ヤ・マ
選挙カーから流れるジングルが印象的だ。
ヘンデル作曲のオラトリオ「メサイア」の中の“ハーレルヤ”のコーラスで有名なあの一節をモジって「ヨ~ネ・ヤ・マ」と透き通る歌声。ツイッターや掲示板では評判が悪いようだが、妙に耳に残るということは、選挙戦略上で言えば正解かもしれない。
新潟5区から出馬した米山隆一は得票3万5720で落選。2位の田中真紀子にも1万50000票の水をあけられ、当選した長島忠美に至っては影も踏めなかった。
その長島の得票数は8万488。前回総選挙で米山は、超逆風の中でこれを上回る得票を得て落選した。前回が事実上の一騎打ちだという点を踏まえれば単純比較はできないが、それでも今回の得票数は意外なほどの低空飛行だった。
「米山は街頭演説で、自民党県連、星野伊佐夫県連会長、長島忠美らの批判を繰り返していたという。あれでは逆に反感を買うだけだ」という指摘が複数の方面からあった。
確かに、米山の街頭演説の内容については政策的な批判(例えば自民党が掲げる国土強靭化における建設国債200兆円の発行に対してなど)はある。これをもって“解散の直後まで自民党籍にあった者が、今度は自民党批判か”と非難する声はあるだろう。
ただ米山という人は、今回は維新の会公認ながら、同党の政策にも全面的に受け入れているわけではない。演説では臆面なくその部分にも触れている。
また、コメントにあった“個人攻撃”については、維新の会から出馬した経緯を有権者に説明しようと思えば、どうしても再び自民党から出馬できなかったいきさつに触れることとなり、これはともすれば“恨み節”に聞こえてしまうのかもしれない。ただし“個人攻撃”のような内容は確認されず、ましてやそれをして票が増えるわけでもないことは自明の理であろう。…続きは本誌にて