契約直前に地権者が1億円豪邸を建てた聖籠町の海浜公園用地買収
2012年12月26日
固定資産税の過剰徴収が問題化した北蒲・聖籠町で、今度は町と一民間人との不可解な土地売買が明るみに出た。町内に個人が所有する原野を町が3千万円超で取得する契約を結んだのだが、所有権が移転する直前、この個人がまるで売却益をアテにしたかのように1億円超の豪邸を新築。一説には、渡辺広吉町長とこの個人は長年にわたって昵懇の間柄だとの指摘もある。
現場は海浜公園整備予定地
本稿で記す不可解な土地取引が表面化した発端は、平成23年度決算審査(9月議会)での小川益一郎議員による資料請求だった。同議員が町当局に対して500平方㍍以上の町保有地のうち、未利用となっている土地をリストアップするよう求めたところ、計10件、広さにして計5万5642平方㍍の未利用地があるとの回答があった。
取得時期は昭和40年代後半に遡るものもあれば、平成20年に譲渡契約が結ばれたものなどさまざまで、旧児童館や野球場跡地、ゴミ処理施設跡地など、かつて活用していた施設がその後使わなくなって未利用地化したものも相当数含まれる。
この中で最も面積の大きな未利用地が加治川右岸の次第浜地区にある7601平方㍍の土地で、地目は原野となっている。
聖籠町は将来的にここに海浜公園を整備するとして、平成20年6月に下越開発公社が3199万円で用地を先行取得。町は債務負担行為により公社に対して平成20年度から10カ年度にわたって土地代金を分割で支払い、完済後に町名義で所有権移転登記する手筈だ。
ただし現時点において、海浜公園の整備にいつ着手するかなど詳細はいっさい決まっておらず、また同時に当該地だけでなく周辺一帯の大掛かりな用地買収も不可欠なことから、整備計画自体は文字どおり白紙の状態だ。
さらに付け加えるなら、地元関係者の中にはそもそもこの場所に海浜公園をつくること自体に否定的な向きもある。聖籠町議会12月定例会で一般質問に立った小川議員は以下のように語った。…続きは本誌にて