【特集】「共同募金の真実」 許されざる“善意のロス”
2012年11月26日
前号の特集〈共同募金の真実 第1弾〉では、共同募金の基本的な仕組みや配分実態などについて詳しく解説した。第2弾となる本稿では、地域によって戸別募金依頼額が大きく異なるという知られざる実態を浮き彫りにするとともに、共同募金の最大配分先である県内30の社会福祉協議会が配分金を地域福祉のために無駄なく使っているのか否か、アンケート調査の結果を基に徹底検証する。
30社協に緊急アンケート
新潟県共同募金会の野島孝行・常務理事事務局長はいう。
「共同募金は『計画募金』ともいわれています。つまりその地域がどの程度の水準の福祉サービスを必要としているかに応じて募金目標額が策定され、各世帯や企業にお願いする募金依頼額が決まります。したがって地域によって募金依頼額はおのずと違ってくるというわけです」
そして集められた募金の最大配分先である県内30の社会福祉協議会は、配分金を使って地域の実情に根差した福祉サービスを高齢者や障害者らに提供。
平成23年度は県内で集められた共同募金額5億1100万円のうち、7割に当たる3億5800万円が県共同募金会から30社会福祉協議会に配分された。
こう記すと県共同募金会が“あげるほう”で、社会福祉協議会は“もらうほう”と受け止められがちだが、現実には両者はこと共同募金事業に限っていえば表裏一体の関係にある。
というのも県共同募金会の傘下には各市町村単位で支会・分会が置かれており、その年の募金目標額は支会・分会が策定するのだが、これらの業務を担っているのは実のところ社会福祉協議会の職員だからだ。
このように社会福祉協議会は配分金をもらう立場にありながら、募金目標額まで自分たちで決定しているのが実情だ。つまり社会福祉協議会がいくら配分金を必要としているかが先で、それに基づいて募金目標額が決められているというわけ。
しかしながら共同募金に協力している市民や企業・団体はこうした実情をほとんど知らずに、自治会等から請われるままに浄財を拠出しているのが現実だ。
しかも自治会から依頼される募金額は、どこも同じだと考えている市民が大方ではないだろうか? まして市町村合併して同じ市になったにもかかわらず、いまだに旧市町村によって募金依頼額が異なる事実を当の市民はご存じないに違いない。…続きは本誌にて