―製薬会社エリート社員が不倫発覚で妻から突き付けられた三行半―
2012年11月26日
ターゲットはエリート社員
ご主人の転勤が結果的に離婚原因のきっかけになってしまうとは、奥様にとってはなんとも皮肉な話というほかありません。離婚原因はご多分に漏れず、ご主人の浮気―。新たな赴任先の新潟で、ご主人は奥様以外の女性と深い仲になっていたのでした。
某月某日、JR新潟駅南口からほど近い当事務所を今回の調査依頼者・花見十和子さん(仮名・27)が訪ねてこられました。洋服のブランドこそ分かりませんが、それは淡いブルーのいかにも品の良いスーツで、手には有名ブランドの高級バッグを携えていました。
一見して、十和子さんが平均的なサラリーマンの奥様でないのは明らかでした。
「ご主人のお勤め先は?」
私がこう尋ねると、十和子さんは「主人は製薬会社の営業担当をやっています」と前置きし、大阪に本社を置く大手製薬会社の社名を口にしました。
「社名を聞くとみなさん、“風邪薬や胃腸薬、ビタミン剤を作っている会社だ”とおっしゃいますが、実際には病院向けの医薬品販売が収益柱で、現実に主人は新潟市内の病院を回って医薬品を販売しています」(十和子さん)
ちなみに同社のホームページを閲覧したところ、連結売上高は1兆5千億円にも上るとのこと。文字どおりの大会社であり、同時に医薬品販売という性格上、景気の波に左右されることのない高収益の超優良企業にほかなりません。
十和子さんのお話によりますと、ご主人の清貴さん(32)が前勤務地の京都から新潟の営業所に赴任してきたのは3年前のことだといいます。もちろん単身赴任ではなく、十和子さんも一緒に新潟に来たわけです。
十和子さんが続けます。
「前任地の京都でもそうでしたが、主人は仕事柄、お医者さんをはじめとする病院関係者の方々を接待する機会が多いため、帰宅が夜10時、11時を過ぎることがザラです。また会社は土日休みが基本ですが、取引先の都合を優先して土日出勤することもしばしばです」
清貴さんのように主に病院を回って医薬品を販売する営業マンは、正確にはMR(医薬情報担当者)と呼ばれるそうで、高度な専門知識の習得が不可欠な上に、並外れた交渉力が求められるとあって、待遇的には商社マンやテレビ局社員に次ぐ高給取りだといわれています。それを踏まえると、十和子さんの洗練された装いもなるほど合点がいきます。
一方、清貴さんが超多忙とあって、十和子さんとしては必ずしも二人だけの時間が十分に持てたとは言い難いようではありますが、それでもこれまで夫婦仲は良好で、事実、新潟に赴任して1年後には子宝にも恵まれました。
ところがそんな順風満帆な花見家に暗い影を落としたのが、たまたま魔が差したと申しますか、十和子さんがいたずら心で清貴さんの就寝時に盗み見た以下のような携帯電話のメール内容でした。…続きは本誌にて