酒気帯び運転と報道された有名弁護士(70)「事故の一部始終」
2012年10月25日
実名を伏せた報道だっただけに、かえって何かと取り沙汰される結果になってしまった。<酒気帯び事故>と報じられたのは、新潟第一法律事務所の創設者でもある今井誠弁護士だ。同弁護士は事故の責任は認めた上で、﹁故意による酒気帯び運転と同じに扱われるなら、出処進退を考える﹂と語っている。
実名なき"飲酒運転"報道
10月5日、地元有力紙にショッキングな記事が掲載された。「新潟市中央区で弁護士が酒気帯び事故を起こし、県警が書類送検の方針」といった見出しだった。だがこの記事に違和感を持った読者も多かったに違いない。腑に落ちない部分が何点かあった。まず「酒気帯びで事故を起こした」とされる当の弁護士の名が伏せられていた。
6年前、福岡市で飲酒運転の車に追突され親子5人が乗っていた車が海に転落、幼い子ども3人が亡くなった。未だ記憶に新しい痛ましい事故以来、飲酒運転に対する社会の見方は格段に厳しくなった。そして罰則も強化された。それでも酒を飲んで運転し、事故を起こしたとする報道が連日のようになされている。その際、当然ながら当事者の実名が公表されている。
新聞記事で「酒気帯び事故」としながら、その氏名を公表しなかったのは、「やはり弁護士だから報道機関も配慮して…」などと、変な勘繰りもしてみたくなる。この記事の数日後、同じ地元紙に、「酒気帯びで物損事故を起こした小千谷市消防本部の課長が懲戒免職処分になった」とする記事が掲載された。当然、処分された職員の氏名、年齢、住所まで明記してある。
事故を起こした弁護士の名が伏せられただけではない。事故が発生したのは<8月下旬>とされているのに、記事が掲載されたのは10月4日。この間、1カ月以上のブランクがある。これもまた「当事者が弁護士だから、事故の発表が抑えられたのでは…」、などと考えたくなる。
これらばかりではない。飲酒運転で事故を起こせば、たいていはその場で逮捕だ。だが地元紙の報道では<逮捕された>と書かれてはいない。それどころか、「果たして酒気帯び運転と言えるのか?」と思わせる記述もある。弁護士は運転代行が来るまでの間、駐車場にあった車を出そうとしたところ、誤って公道に出て別の駐車場の工作物にぶつかったという。…続きは本誌にて