一説に百億円の経済損失 日中対立が新潟経済に及ぼした影響
2012年10月25日
尖閣の国有化を機に火がついた日中対立は、経済断絶へと発展し、両国互いに影響が大きいと言われている。ここ新潟でも既に中国をビジネスパートナーとする企業、今後対中ビジネスに進出しようという企業は少なくない。意外に知られていない新潟経済への影響をリポート。
相互補完関係か?
尖閣の国有化以来、政治的な日中対立は続いている。中国国内における大規模な反日デモの様子をニュース番組等で見て、これまで比較的おとなしかった国民感情にも変化があるのではないか。日本人の一般レベルでの反中感情は確実に高まっている。
一方で、経済に関しては政治と〝別バラ〟。経済界は頭を抱えている部分も多いだろう。政治対立からくる経済断絶は、広範囲に多大な影響を及ぼしている。
一番顕著なのは、国産車の中国市場だと言われる。トヨタなど国内大手が扱う大衆車は中国で現地生産している一方で、利幅の大きい高級車は日本から輸出している。この輸出額は2012年度1月~8月で前年同期と比べて24%も増加している。世界中探しても、これほど伸びているマーケットは見当たらず、今後も有望視されていたが、ここに来て全く予測がつかなくなったという。日本製品の不買傾向はしばらく続きそうだ。
日中貿易額は2000年以降、急激な上昇を続け、昨年度は過去最高額3400億ドルを計上。双方共に最大の貿易相手国である。数字上、日中貿易は日本の赤字だが、相互に依存している関係と言われる。
中国にとっても日本は1800億ドルを超える輸出市場であり、やはり中国にとって大きなマーケットである欧州が壊滅的な経済危機に陥っている中、日中貿易に対する依存度は高い。…続きは本誌にて