県境を股にかけた家出妻の想定外の追跡劇
2012年08月27日
家出した妻は今どこに…
私たち調査員はいうまでもなく日常的にターゲットの尾行を行っています。とはいえ、以下に紹介するような追跡劇は、ありそうであまりない経験なのです。
今回の依頼者は新潟市在住の野々村健太郎さん(仮名・50)。職業は某地方公務員とあって、スーツ姿がよくお似合いで緊張感漂う印象の紳士であります。そんな野々村さんいわく「職業上、自分で妻を探せそうに思われるかもしれませんが、プライベートなことなので。参りました…」とおっしゃるその事柄とは、奥さまの聡美さん(同・49)がある日突然、一方的に突き付けてきた離婚の二文字にほかなりません。「私としてはまったくの青天のへきれき。妻が突然家を飛び出したと思ったら、ほどなく裁判所から離婚調停への出廷要請を受けました。事前に何ら話し合いもなく、いきなり離婚調停だなどと言われても私は到底納得できません。ましてや妻がどこで何をしているのかも分らないようでは何も考えることができません」(健太郎さん)
聡美さんは周到な準備を経て、健太郎さんの前から姿を消したようです。離婚の意志もそれなりに固いに違いありません。しかしながら健太郎さんからの調査依頼は、聡美さんの現在の居場所を突き止めてほしいというものであります。内容によりお断りする場合もあるのですが、先にお話したとおり健太郎さんの某地方公務員という社会的立場とその地位を踏まえて、慎んでご依頼をお受けすることとしたのです。健太郎さんが言うには「2週間後に新潟家庭裁判所で離婚調停が行われます。代理人だけで妻本人が現れるかどうかは分かりませんが、もし彼女が家裁に訪れたら、足取りを追いかけて今住んでいる所を突き止めてほしいのです」とのこと。私たちは健太郎さんから聡美さんの顔写真をいただくとともに、愛車の情報(ナンバー等)、そして参考のため現在よく利用している銀行はどこかなど、手掛かりとなりうる情報の収集に努めました。事前情報によると東区の宝町付近に居住している可能性が非常に高いとのことでした。仮に聡美さんが愛車で家裁に訪れたとしたら、調停終了と同時に万全の態勢で車両追跡を開始することとなります。マイカーでの移動が主体となっている新潟の交通事情を考えますと、車で家裁に訪れる可能性が高いのではないかと思われました。…続きは本誌にて