工場進出をめぐり新発田市に騙された三幸製菓
2012年08月27日
新発田市に第三の生産拠点を置く三幸製菓(新潟市北区)。同社は「新発田市に騙された」とし、今や対応を弁護士に一任している。一方の新発田市は「説明責任を欠いた」と恭順の意を示しているのだが、両者の溝は容易に埋まりそうもない。
騙されたのです…
日東道を北に向かうと、聖籠・新発田ICの数㎞手前に三幸製菓(佐藤裕紀社長)の新発田第一工場が見える。同社は昭和37(1962)年設立と、米菓業界では後発組。だが売上高を10年間で3倍に伸ばすなど、その急成長ぶりで知られている。現在、同社は亀田製菓に次いで米菓業界の第2位にランクされている。今年6月、三幸製菓の研修旅行が行われたが、約430人の旅先は沖縄だった。参加者が一堂に会した懇親会では、同社のCMでおなじみの松平健が登場。「マツケンサンバⅡ」を披露するというサプライズがあった。同社の好調ぶりを物語るエピソードだ。
三幸製菓の新発田第一工場は、本社がある新崎(新潟市北区)、荒川(村上市)に次ぐ3番目の生産拠点。操業を開始したのは平成21(2009)年3月のことだった。この工場は新発田市でも旧豊栄市寄りに位置する同市西部工業団地内にある。 新発田市と三幸製菓が企業進出協定の調印式を行ったのは平成18(2006)年8月10日。当時はどこの工業団地も販売不振に悩んでいた。新発田も同様で、団地内で最大区画の販売にめどがついたことは、喜ばしい事態だった。同社にとっても本社に近く、労働力の確
保も容易な新発田への進出はメリットがあった。土地は約6万㎡で契約金額はおよそ12 億2千万円。進出協定や売買契約は平成20年8月、新発田市は前市長の、三幸製菓は前社長の名で行われた。今、新発田市と三幸製菓の関係が微妙になっている。原因は進出協定と共に交わされた「覚書」をめぐるトラブルだ。内容は工場用地の周囲にある市道の貸与に関すること。覚書にうたわれた貸与の約束が未だ完全に履行されていない。…続きは本誌にて