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2024年11月23日

甲斐元也・佐渡市長に聞く「トキ生誕と〝現代の幸福論〞」

2012年07月26日

今年4月の改選で新たな佐渡市のリーダーとなった甲斐元也市長。朱鷺の2世と時期を同じくして誕生した新市長は、この島の振興策と未来図をこんな風に描き始めている。

 

"常に60羽"を目指したい

─まずは"トキの2世"誕生をお祝いしたいと思います。

 

「36年ぶりに野生で誕生し、38年ぶりにヒナが巣立ったわけで、長い期間待ち望んだ島民の喜びがとにかく大きい。お祝いのメッセージも、日本全国どころか地球の裏側のブラジルからも届きました。

観光産業にも大きなプラスであり、日本全国からトキを見に佐渡に来られるでしょう。近年はトレッキングなど新たなコンテンツも生まれ、相乗効果が期待できます。実際、トキの2世が誕生して以降は、一昨年の水準に比べて2割程度観光が伸びている。これはお土産店の調べです」

 

 

─今後はトキの保護育成についてどういった目標がありますか?

 

「我々も環境省も共通した目標として〝トキ60羽〟という数字があります。現在トキが何羽現存しているかといえば、これが68羽です。そのうち佐渡に65羽、1羽が富山にいて残り2羽が行方不明です。確かに現存で68羽ですが、これはまだまだ安定的な数字ではありません。これらが安定して世代を重ねていき、年間を通して60羽をキープできる状況に持っていきたいというのが当面の目標です。それについては今後も放鳥や餌場の整備などを続けていく必要があります。

佐渡はトキの島と言われながら一時は絶滅してしまった。その大きな要因は環境の悪化です。過剰な農薬散布が田んぼからタニシやドジョウを駆逐し、それを餌にするトキの生態に影響を及ぼしたということもあるでしょう。逆に言えばトキが住めるようになった佐渡は環境が昔に近づいたという証明にもなります。ひいては〝佐渡の産物は安全、安心〟というPRにも繋がるわけです。」…続きは本誌にて

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