高額給食費をどうにかせよ!
2025年01月27日
本県の学校給食費が47都道府県の中でも非常に高いという事実をご存じだろうか?令和5年度の小学校平均1食の費用は上から4番目、中学校は上から3番目という高さだ。同年度比較で新潟市の1食の費用も高い。保護者の負担はそれだけ重いことから、昨
年の新潟市議会12 月定例会に市民から画期的な陳情があったのだが、採決の結果、不採択となった。新潟市議会の見識を問う。
学校給食は「完全給食」「補食給食」「牛乳だけ給食」の3種類
新潟市在住の元小学校長、長谷川清長氏が話す。
「立憲民主党、国民民主党、維新の会の野党3党は、昨年12月末に『公立小中学校などの給食費を無償化するための法案』を共同で国会に提出しました。物価上昇を背景に、給食費を支払う保護者の負担が重くなっていることを踏まえると、無償化は大変結構なことです」 (長谷川清長氏)
こう話す長谷川氏は、本誌において2007年12月号から2008年11月号の計12回にわたって連載記事「元小学校長・長谷川清長の"新潟教育現場"ブッタ斬り」を執筆。それまで教育現場ではタブー視されていた問題に鋭く切り込み大きな話題を呼んだ。
その長谷川氏が続ける。
「野党3党が提出した法案の骨子は以下のとおりです。
①国が給食費の標準額を決めて自治体に交付する
②標準額を超えた分は保護者が負担する
③国立、私立は当面の間、保護者負担
④施行は令和7年4月1日
見てのとおり標準額のオーバー分は保護者負担なのです。
(衆議院:衆法 第216回国会25学校給食法の一部を改正する法律案参照)
学校給食は、『完全給食=米飯か小麦食品+牛乳+ おかず。補食給食=牛乳+おかず。ミルク給食=牛乳だけ給食』の3種類があります。(文部省:学校給食実施状況等調査-用語の解説より、ミルクを牛乳に改変)
全国的に見ると小学校では、完全給食(18,532/18,755校)、補食給食(23/18,758校)、牛乳だけ給食(29/18,758校)。中学校は完全給食(8,818/9,820校)、補食給食(19/8,820校)、牛乳だけ給食(1,583/9,826校)で、完全給食でない小学生が(6,804人)、中学生が(53,296人)となっており、合計(60,100人)もいます。(文科省:令和5:都道府県別学校給食実施状況調査より。市町村立学校のみ)」 (同)
完全給食は聞いたことがあるが、補食給食、牛乳だけ給食はあまり耳にしたことがない読者が多いことだろう。
長谷川氏は「補食給食は家から主食を、牛乳だけ給食は主食・おかずを持参するということになります」と説明して、以下のように続ける。
「令和5年度全国都道府県小学校の平均給食回数は201回~174回、1食分の費用は318円~229円、中学校が199回~172回、358円~265円とばらつきがあります。
全国の年間給食費は小学校最高額が福島の5万8454円、最低額が滋賀の4万3263円、中学校最高額は富山の6万9102円、最低額は滋賀の4万9423円です。(文科省:学校給食費調査より)
どれも平均なので、これらの価格より高い学校、低い学校があります。滋賀県は給食費が安いから質素な給食かと言えばそうではなく、地域の物価が安価なことが予想できます。なお滋賀県の牛乳だけ給食は小学校が(0/77,452人)。中学校が(920/39,008人)です。これらの数が給食費平均に及ぼす影響は低いと思われるので、やはり物価の安定が考えられます。…続きは本誌で