療養明け 中原八一・新潟市長の”仕事始め”は特別職の報酬アップ
2024年12月27日
新潟市の中原八一市長だが、公の場への復帰はほぼ3カ月ぶり。病み上がりで万全とは言えない状態ながら、市議会12月定例会に臨んだ。「迷惑をかけた」と、自身の報酬減額も表明したという同市長だが、12月の定例会初日に、自身を含む特別職の期末手当を増額する議案を提案。この改正は令和6年12月の期末手当から適用されるのだとか…。
まずは「めでたい」と言うべきだろう。新潟市の中原八一市長は9月4日から体調不良による療養で登庁できずにいた。12月3日、同市長はほぼ3カ月ぶりで公の場に姿を見せた。
この日は市議会12月定例会の開会日で、同市長は午前中に開催された議会の全員協議会に出席。9月3日に姉妹都市のフランス・ナント市に向かう直前から、頭痛や嘔吐、不眠が続いたことなどを説明したという。
中原市長が出席した全員協議会の傍聴を申し出た市民もいたらしい。だが許可されなかった。これまで病名や症状などが一切説明されず、ほぼ3カ月の間、市長不在となった。こうした事態を問題視する市民は決して少なくない。
この日に先立つ11月19日、市議会の議会運営委員会で、中原市長が12月の市議会に出席する見通しであることが伝えられた。
「この時点から、12月定例会が開会する直前の全員協議会で、市長から直接発言してもらう方向で協議していました。症状などについては個人情報ですから、ご本人から説明してもらうしかなかったんです」 (市長与党派の市議)
そして12月3日午後1時30 分、市議会定例会が開会した。9月の定例会を全休した中原市長だが、議案の提案理由を説明する前、こう述べた。
「9月4日から体調不良により、自宅で療養を続けてまいりましたが、この間、9月定例会をはじめ、市主催行事を欠席し、市議会はもとより市民、関係者の皆様にご迷惑とご心配をおかけすることになり、深くおわびを申し上げます」
中原市長は「万全と申し上げるには今しばらくお時間をいただければと思います」と続けた。その言葉どおり、同市長の声は薬の影響もあるとかで、いつもに比べ弱々しかった。
この日、中原市長が提案理由を説明した議案の中に、「特別職の給与に関する条例の改正」があった。特別職、すなわち市長、副市長、議員らの期末手当(ボーナス)を0・1カ月分引き上げるというもの。昨年度の月額報酬、期末手当のアップに続き、2年連続の報酬引き上げになる。議案が可決されれば、月額報酬が約117万円の市長の場合、期末手当は約436万円(6月、12 月合計)になるという。
武田勝利議員(西区、共産党)がこう聞いた。
「なぜ2年連続で特別職の報酬を引き上げるのか。震災復旧途上であることや、市民の生活、経済状況、市民感情から理解されると考えますか」
特別職の報酬は審議会の答申を踏まえて決定される。審議会は報酬アップとしていたが、その答申は絶対ではない。中原市長は「答申内容を尊重し条例改正を提案した」と答弁。
「審議会は第三者的な立場。その答申を真摯に受け止めている」(中原市長)
この「特別職の給与に関する条例の改正」だが、令和6年12月1日から適用する〉となっていた。同年暮れのボーナスから増額ということだ。