県発注外壁工事 花角知事が「研究します」と答弁した中身
2024年11月27日
県が発注する外壁改修工事では、特記仕様書で県外壁補修工事業協同組合に所属する業者による施工が求められている。だが県内では組合員不在の地域もある。それゆえ、こうした発注手法は「地元企業の活性、育成に逆行している」といった指摘がある。こうした事態に花角英世知事は、「研究してまいります」と答弁している。
特記仕様書で施工を特定
県議会では、本会議場を使って議員と知事らがやり取りする場が3つある。まず会派の代表質問で、自民や国政野党系の「未来にいがた」、非自民系の「リベラル新潟」の代表者が演壇から質問し、知事らが答弁する。次が各議員による一般質問。そして連合委員会だ。
その名のとおり連合委員会はすべての常任委員会を網羅したもので、全議員が出席し本会議場で行われる。他県には見られない本県独自の委員会だ。その昔、民選3代目の塚田十一郎知事時代に発生した不祥事、「二十万円中元事件」をきっかけに設置されたのだとか。
その連合委員会だが、会期の後半に行われる「2次連合」では、委員会などで議論が煮詰まらなかった事項について知事とやり取りする。その昔はけっこうエキサイティングな場面も見られたが、最近の議論は低調だとか。
それはともかく、県議会9月定例会の連合委員会で最後に登場したのが諏佐武史議員だった。長岡市三島郡の選出で、所属会派は未来にいがた。昨年の県議選で長岡市議から鞍替えし、初当選した。
10月8日の連合委員会で、諏佐議員はこう切り出して質問を始めた。
「私からは県発注の外壁改修工事の建築改修標準特記仕様書についてうかがいます」
工事に際し注意点や使用する材料の仕様、グレードなどを記載したものが特記仕様書だ。諏佐議員が問題視したのは、県が発注する工事でも、建物の外壁改修工事に関する標準特記仕様書だった。
連合委員会の1週間前に行われた県議会の建設公安委員会で、諏佐議員は県の営繕課が担当する外壁工事に関連し、その標準特記仕様書の問題点を指摘していた。それが同書に記述がある以下の部分だ。
〈外壁改修工事は、新潟県外壁補修工事業協同組合員の施工とする〉
今年度、県が発注する外壁改修関連の工事では、14件の入札が行われた(11月まで)。落札金額は300万円台から8千万円台までと様々だ。前出の県外壁補修工事業協同組合員(略称『外補』)の組合員らが落札者になっているわけではない。落札者は建築工事の実績がある建設会社で、「外補」の組合員はその下請けとして外壁改修工事を担当しているようだ。…続きは本誌で